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【Yahoo!ニュース 個人】6月の月間MVAとMVCが決定

(写真:アフロ)

■Yahoo!ニュース 個人、6月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました

社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」「文化の発展に寄与する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、Yahoo!ニュース 公式コメンテーターによるニュースへの理解が深まるコメントとして「月間MVC」も選出しました。厳選4本の記事と3本のコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。

※4月より、記事も公式コメントも投稿するオーサーに加え、公式コメントのみを投稿するコメンテーターも「月間MVC」の選出対象となりました。

Yahoo!ニュース 公式コメンテーターとは

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6月のMVA

「勉強不足のバカライター」なぜ松本人志は視聴率報道に怒ったのか?視聴率の先にあるテレビの本当の危機(谷田彰吾)

筆者による受賞コメント:選出ありがとうございます。放送作家としてテレビの危機について書くのは悩みました。しかし、書いてよかった。記事を読んでくださったテレビ局員の方から、たくさんのポジティブな反応を頂けたからです。時には声にすることも大切だと思います。今後もテレビやYouTubeをはじめ、激動のコンテンツ界の今や未来を、現場のクリエイターの感覚を交えて書いていきたいと思います。(谷田彰吾

選出理由:テレビ番組の視聴率への報道に対し疑問を呈したダウンタウン・松本人志のSNS投稿を巡り、テレビ業界で起こっている変化を解説した記事です。「世帯視聴率」から「個人視聴率」「コア視聴率」重視へと成功の指標が変化したことが丁寧に解説されていることに加えて、今後のテレビ業界への課題感も詳述されており、現場を知る放送作家ならではの優れた内容です。

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議論を呼ぶYouTubeプレミアムのテレビCMから考える、動画広告の未来(徳力基彦)

筆者による受賞コメント:月間MVAへの選出ありがとうございます。デジタルマーケティングやインターネット広告の歴史を長くウオッチしてきた人間として、YouTubeという動画広告のトッププレーヤーが、自らの広告を、楽しみを途切れさせる存在としてテレビCMで描いてきたことに、率直に驚いたのがこの記事を書いた背景です。ただ、だからこそ、これを歴史の転換点として後から振り返る可能性も少なくないなと俯瞰(ふかん)的な視点でまとめてみました。ネット動画広告の歴史は何と言ってもまだはじまったばかりですから、これからさらなるイノベーションがおこっていくことに注目しています。(徳力基彦

選出理由:Googleが展開する「YouTubeプレミアム」のテレビCMが議論を巻き起こしている状況を分析しつつ、ネット動画広告の可能性に言及している記事です。テレビCMを使って自社の広告モデルを否定しているように見える事例ですが、その背景にある業界の構造や問題点、広告主の課題などを解説しています。一部広告主が「宣伝」から「コンテンツ」にシフトしている事例なども紹介しつつ、業界の現状を分かりやすく伝えています。

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競走馬を引退した馬の行き先の現実。そして、引退馬たちの支援について(花岡貴子)

筆者による受賞コメント:ウマ娘のブームも手伝い、競走馬への注目が高まっています。その一例が今回書かせていただいた引退馬と呼ばれる競馬等の経済活動を終えた馬たちの動向です。引退馬が人馬両方にとって客観的に"幸せ"と呼ばれる例は少ないのですが、前回MVAを受賞させていただいた「30歳老衰で天寿全う、GI3勝のビワハヤヒデが教えてくれたこと」は幸せな引退馬の老後の貴重な一例です。二度目のMVA受賞を感謝するとともに、今後も人馬両方の幸せについて考え、伝えていきたいです。(花岡貴子

選出理由:毎年約7000頭も生まれる競走馬には一定の成績が収められないと"処分"されることもある、という厳しい現実に目を向けた記事です。引退馬を保護し続けることの大変さを解説しながら、2007年に引退した「ツルマルツヨシ」をサポートする団体の立ち上げや運営の手伝いを実際にしてきた筆者の経験から、支援するにはどうすれば良いのか語ってくれています。筆者の馬に対する愛と誠実さがにじみ出る一本です。

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慶応と沖縄戦 激戦地への命令は1500km離れた豪華なキャンパスから…なぜ?(與那覇里子)

筆者による受賞コメント:沖縄で生まれ育ちました。途中、進学先の首都圏で沖縄では当たり前に黙とうをささげてきた「慰霊の日」が、全国的には「日常」であることを知り、沖縄のことをいかに全国に届けられるかを考えてきました。その一環として、全国の方と共有できるフックを通して沖縄のことに興味を持ってもらいたいと思い続けています。今回の記事は、慶應の先生方の協力もあり、日吉キャンパスを通して沖縄戦を書かせてもらいました。今回の試みが、それぞれが思う場所で、その土地のことを通じて、継承の形の一助になることを願っています。(與那覇里子

選出理由:6月23日の「慰霊の日」に合わせてなぜ沖縄で泥沼の戦が展開されたのか。それはどこからの命令で、本州と沖縄の温度感はどれほど違っていたのか。丁寧に書き上げ戦争の悲惨さだけでなく、戦場となった土地の人々の無念さがひしひしと伝わる記事です。戦争の記事は語り部、体験者から聞いたものが中心でいかに若い人や関心の薄い人に興味を持ってもらうかという課題がある中、「慶應日吉キャンパス」という現代でもイメージが持ちやすい場所をフックにした点に着眼点の鋭さを感じさせる一本です。

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6月のMVC

『南明奈 第1子死産を発表 「授かった命は、空へと戻りました。私達家族は幸せでした」(スポニチアネックス)』の記事へのコメント(井上智介)

筆者による受賞コメント:今回、MVCを受賞させていただき、大変嬉しく思っております。自分にとって大切なモノや人を失うことを喪失体験といいますが、死別とはその最たる例です。死別は、だれもが遭遇する可能性がありますが、その話題はタブー視されており、向き合う機会は少ないです。そのため、喪失体験で苦しむ人に、どのように接すればよいか悩む人も多いです。とくに思わぬ声かけが遺族をさらに苦しめることも知ってほしく、実際の診療でのリアルな声も反映してコメントさせて頂きました。これからも多くの人の役に立つコメントを心がけていきます。(井上智介

選出理由:

著名人夫婦の死産報告という、デリケートなニュースに対して当事者の心情を精神科医の立場から丁寧に解説しています。悲しい体験をした方に良かれと思ってかけた言葉が、どう受けられる可能性があるのかについても触れ、当事者にどう寄り添うべきか問いかけるコメントです。

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『ダルビッシュ、MLB史上最速1500奪三振 ランディ・ジョンソン抜く197試合目で達成(Full-Count)』の記事へのコメント(お股ニキ)

筆者による受賞コメント:MVC受賞ありがとうございます。まさか受賞できるとは思っていなかったのでとても嬉しいです。実はダルビッシュ投手は通算1000奪三振もMLB最速での到達でしたので、1500三振も最速記録を達成するのはほぼ規定路線でした。1000奪三振の時はまだあまり知られていませんでしたが、大分知れ渡ってきたと思います。ダルビッシュ投手のピッチングのすごさや野球を見る楽しさをこれからも伝えていければと思います。(お股ニキ

選出理由:MLB史上最速1500奪三振を達成したダルビッシュ有投手のニュースに関連してのコメントです。ダルビッシュ有投手の球種の特徴や今シーズンのコンディションについて、ピッチングデザイナーとして独自のデータ分析を行い、読み手に改めてダルビッシュ有投手の投球の素晴らしさを伝えました。

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『日本、サイバー能力見劣り 主要国で最下位グループ(共同通信)』の記事へのコメント(山田敏弘)

筆者による受賞コメント:記事は、日本のサイバーセキュリティが世界的に低評価という不安をあおるだけのものでした。ただ記事内容は重要な問題提起だったので、ソースの報告書に当たり、補足すれば多くの人の理解が高まるだろうとの思いから、簡潔にまとめるよう心がけました。(山田敏弘

選出理由:「日本はサイバー・デジタル分野で主要国最下位グループ」というニュースの評価の背景に憲法や政治の問題があるというポイントを補足しながら、今後の課題もあわせて紹介。専門性を活かしてニュースへの理解を深める理想的なコメントです。

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