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開幕直前に「解雇」の選手たち。過去にシーズン30本塁打以上も1人や2人ではなく…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・ムスタカス Mar 14, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月28日の開幕――ロサンゼルス・ドジャースとサンディエゴ・パドレスは開幕3試合目――が近づき、FAの選手は再び増えた。その多くは、マイナーリーグ契約で入団し、開幕ロースターに入ることができず、球団から解雇あるいは自ら契約を打ち切って退団、という流れだ。

 シーズン30本塁打以上を記録したことのある選手に限っても、1人や2人ではない。見落としがなければ、トレイ・マンシーニ(マイアミ・マーリンズ→FA)、C.J.クロン(ボストン・レッドソックス→FA)、マイク・ムスタカス(シカゴ・ホワイトソックス→FA)、エデュアルド・エスコバー(トロント・ブルージェイズ→FA)がそうだ。

 32歳のマンシーニは、2019年に35本塁打。34歳のクロンは、2018年に30本塁打。35歳のムスタカスは、2017年に38本塁打と2019年に35本塁打。35歳のエスコバーは、2019年に35本塁打を記録している。

 32歳の筒香嘉智(サンフランシスコ・ジャイアンツ→FA)も、日本プロ野球でシーズン30本塁打以上が2度。2016年が44本塁打、2018年は38本塁打だ。

 一方、2019年に30本のホームランを打った、31歳のダニエル・ボーゲルバックは、ブルージェイズの開幕ロースターに名を連ねる。また、ブルージェイズとマイナーリーグ契約を交わした選手のなかには、3度のシーズン30本塁打以上に加え、シーズン29本塁打も3度を数える、40歳のジョーイ・ボトーもいる。こちらは、開幕ロースターには入らないが、退団はしておらず、マイナーリーグで開幕を迎える。彼らについては、こちらで書いた。

「5年前に30本塁打のスラッガーはマイナーリーグ契約から開幕ロースター入り。一方で大物ライバルは…」

 当落線上にいるのは、マイナーリーグ契約でロサンゼルス・エンジェルスに入団したミゲル・サノーだ。シーズン30本塁打以上は、2019年の34本と2021年の30本。年齢は、5月に31歳となる。

 開幕ロースターに入るのは、サノーとエイレイ・アドリアンザのどちらか一方ではないだろうか。サノーと違い、34歳のアドリアンザはパワーに欠ける。これまでの11シーズンに打ったホームランは、616試合で21本に過ぎない。マイナーリーグでも、817試合で29本塁打だ。ただ、サノーのポジションが一塁と三塁であるのに対し、アドリアンザは遊撃を含む内外野を守る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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