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5月を迎える前に20盗塁はリッキーとリッキーだけ。デラクルーズはここまで17盗塁。今月あと4試合

宇根夏樹ベースボール・ライター
エリー・デラクルーズ(シンシナティ・レッズ)Apr 26, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月26日、エリー・デラクルーズ(シンシナティ・レッズ)は、シーズン8本目のホームランこそ打たなかったものの、1回表に二塁走者が先にスタートを切るダブル・スティールで本盗を成功させ、続いて、5回表には二盗を決め、シーズン盗塁を17とした。

 ベースボール・リファレンスによると、5月を迎える前に17盗塁――3月と4月の合計――は、2007年のホゼ・レイエスに並ぶ、今世紀の最多。また、5月を迎える前に20盗塁以上は、1982年に22盗塁と1988年に20盗塁のリッキー・ヘンダーソンしかいないという。いつ以降の記録なのか不明だが、おそらく、1900年か1901年以降だと思われる。

 リッキーは、盗塁王を12度獲得し、通算1406盗塁を記録した。それぞれの2位は、マックス・ケアリーの10度とルー・ブロックの通算938盗塁だ。リッキーのシーズン100盗塁以上は、1982年の130盗塁を筆頭に3度を数える。1988年の93盗塁は、4番目に多い。2007年のレイエスは、78盗塁を決めた。

 今月、レッズは、あと4試合を残している。4月末までに20盗塁を達成するのに、デラクルーズは、4試合も必要としないかもしれない。今シーズンは、4月19日と24日に1試合3盗塁を記録している。メジャーリーグ1年目の昨シーズンも、7月8日の試合で3盗塁を決めた。

 1982年と1988年のリッキー、2007年のレイエスと比べると、今シーズンのデラクルーズは、盗塁だけでなくホームランも多い。1982年のリッキーは、4月末の時点で22盗塁と1本塁打、シーズン全体は130盗塁と10本塁打。1988年は、20盗塁と3本塁打→93盗塁と6本塁打。2007年のレイエスは、17盗塁と2本塁打→78盗塁と12本塁打だ。

 ちなみに、レイエスのシーズン最多本塁打は19本(2006年)だが、リッキーは20本塁打以上のシーズンが4度あり、1986年と1990年は28本のホームランを打った。

 なお、現時点で、盗塁もホームランも5以上は8人。17盗塁と7本塁打のデラクルーズ、7盗塁と6本塁打のムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)、5盗塁と10本塁打のマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)、5盗塁と8本塁打のガナー・ヘンダーソン(ボルティモア・オリオールズ)、5盗塁と7本塁打の大谷翔平(ドジャース)、ともに5盗塁と6本塁打のCJ・エイブラムス(ワシントン・ナショナルズ)とセドリック・マリンズ(オリオールズ)、5盗塁と5本塁打のカイル・タッカー(ヒューストン・アストロズ)がそうだ。

 彼らのうち、ベッツ、トラウト、マリンズは、30-30を1度ずつ達成している。タッカーは、昨シーズン、30-30にリーチをかけた。もし、ホームランがあと1本多ければ、30-30に加え、ホームランは3シーズン連続30本ちょうどになっていた。

 昨シーズン、デラクルーズは、98試合で35盗塁を決め、13本のホームランを打った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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