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5年前に30本塁打のスラッガーはマイナーリーグ契約から開幕ロースター入り。一方で大物ライバルは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ダニエル・ボーゲルバック(トロント・ブルージェイズ)Mar 20, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 トロント・ブルージェイズの開幕ロースターに入る、13人の野手は確定したようだ。スポーツ・ネットのアーデン・ズウェリングらによると、3月24日の試合後、ジョン・シュナイダー監督は、ダニエル・ボーゲルバックアーニー・クレメントデイビス・シュナイダーのロースター入りを発表したという。

 この3人のうち、ボーゲルバックは、2月中旬にブルージェイズとマイナーリーグ契約を交わし、ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)としてスプリング・トレーニングに参加していた。

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 5年前、ボーゲルバックは、30本のホームランを打ち、両リーグ4位の四球率16.5%を記録した。今春は、13試合で3本塁打と四球率14.6%(6四球)だ。サンプル数はわずかながら、長所はアピールできた、と言っていい気がする。

 ただ、ボーゲルバックの開幕ロースター入りは、ライバルの出遅れに助けられた、という面もある。

 今月初旬、ジョーイ・ボトーは、こちらもマイナーリーグ契約でブルージェイズに入団した。そして、今春の初出場となった3月17日の1打席目に、初球をホームランとした。だが、直後にダグアウトでバットに躓いて右足首を痛め、その後は出場していない。

 ボーゲルバックとボトーは、どちらも、パワーと選球眼に優れた左打者だ。一塁手という点も共通する。年齢は31歳と40歳だが、実績と知名度はボトーが上回る。例えば、ボトーは、17シーズンに356本のホームランを打ち、オールスター・ゲームには6度選ばれている。ボーゲルバックは、8シーズンに80本塁打、オールスター・ゲーム選出は2019年の1度だ。つけ加えると、ボトーは、トロントで生まれ育った。

 ボトーの怪我は、深刻なものではないらしい。開幕からボーゲルバックのバットが空を斬り、ボトーがマイナーリーグで結果を残した場合、早々の入れ替えもあり得る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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