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昨年の月間二桁本塁打は8月の岡本和真だけ。最初の月にシーズン全体の半数を打ったのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
岡本和真 MAR 16, 2023(写真:CTK Photo/アフロ)

 昨年、月間二桁本塁打を記録した選手は、8月に12本塁打の岡本和真(読売ジャイアンツ)しかいなかった。3月と4月、9月と10月は、それぞれを合わせて1ヵ月としているが、この両月も、10本塁打以上の選手は皆無だった。

 各月の本塁打トップ3は、見落としや数え間違いがなければ、以下のとおり。

筆者作成
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 岡本は、8月の12本塁打だけでなく、5月の9本塁打も、誰よりも多かった。6月の7本塁打は最多タイ、セ・リーグ1位だ。9・10月は2位タイながら、この月も7本のホームランを打った。シーズン全体の41本塁打は、2番目に多い村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)に10本差をつけた。

 一方、7本塁打以上の月があったにもかかわらず、シーズン本塁打は20本に届かなかった選手もいる。

 3・4月に8本塁打の杉本裕太郎(オリックス・バファローズ)は、シーズン16本塁打なので、最初の月にシーズン全体の半数を記録したことになる。試合数で分けると、最初の21試合で8本塁打、その後の75試合で8本塁打だ。

 ただ、最後の20試合で、杉本は、4本のホームランを打っている。クライマックス・シリーズと日本シリーズのホームランはなかったが、クライマックス・シリーズでは、二塁打3本を含む、14打数6安打(打率.429)を記録した。

 杉本の他には、3・4月に7本塁打の中村剛也(埼玉西武ライオンズ)がシーズン17本塁打、6月に7本塁打の頓宮裕真(オリックス)がシーズン16本塁打、7月に7本塁打のレアンドロ・セデーニョ(オリックス)がシーズン9本塁打、8月に9本塁打のマット・デビッドソン(当時・広島東洋カープ)はシーズン19本塁打だ。

 各月のトップ3に入っていない、8月に7本塁打の2人、牧秀悟(横浜DeNAベイスターズ)と近藤健介(福岡ソフトバンク・ホークス)は、シーズン全体で25本以上のホームランを打った。

 偶然だろうが、月間7本塁打以上がありながらシーズン20本塁打未満の5人中3人は、オリックスでプレーした。ちなみに、オリックスのシーズン109本塁打は、パ・リーグでは最も多かった。シーズンを通してではないが、交代でパワーを発揮した、という見方もできなくはない。

 また、中村のシーズン17本塁打は、埼玉西武で最も多かった。デビッドソンのシーズン19本塁打も、広島東洋の最多だ。杉本と頓宮のシーズン16本塁打は、オリックスでは森友哉の18本塁打に次いだ。

 広島東洋を退団したデビッドソンは、今年、韓国プロ野球のNCダイノスでプレーする。年齢は、来月で33歳だ。2017~18年は、シカゴ・ホワイトソックスで、26本塁打と20本塁打を記録している。

 デビッドソンとともにプレーしたライアン・マクブルーム――シーズン全体で6本塁打、メジャーリーグ通算も6本塁打――は、FAのままだ。彼らと入れ替わる格好となった2人については、12月にこちらで書いた。

「広島東洋カープに入団のシャイナーとレイノルズは退団のマクブルームとデビッドソンよりパワーがあるのか」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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