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ツインズが19年ぶりに挙げた白星が、エンジェルスに不名誉な称号をもたらす

宇根夏樹ベースボール・ライター
ミネソタ・ツインズ Oct 3, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月3日、ミネソタ・ツインズは、ワイルドカード・シリーズの初戦を制した。

 ツインズがポストシーズンの試合で白星を挙げたのは、2004年のディビジョン・シリーズ第1戦以来だ。その次の試合から、2020年のワイルドカード・シリーズで敗退するまで、史上最長の18連敗を記録していた。

 この連敗については、こちらで書いた。

「ポストシーズン18連敗中のツインズはブルージェイズと対戦。前田健太と菊池雄星の登板は…」

 ツインズが連敗を止め、継続中の最長は、シンシナティ・レッズ、トロント・ブルージェイズ、タンパベイ・レイズの6連敗となった。

 6連敗の内訳は、レッズが、2012年のディビジョン・シリーズ第3戦~第5戦(3敗)、翌年のワイルドカード・ゲーム(1敗)、2020年のワイルドカード・シリーズ(2敗)。

 ブルージェイズが、2016年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第5戦(1敗)、2020年のワイルドカード・シリーズ(2敗)、昨年のワイルドカード・シリーズ(2敗)に、今年のワイルドカード・シリーズ第1戦(1敗)。6連敗目は、ツインズに敗れた。

 レイズは、2021年のディビジョン・シリーズ第2戦~第4戦(3敗)に、こちらもブルージェイズと同じく、昨年のワイルドカード・シリーズ(2敗)と今年のワイルドカード・シリーズ第1戦(1敗)だ。

 この3チームのうち、レッズは、今年のポストシーズンに進出していない。ブルージェイズとレイズは、次の試合に勝てば連敗ストップだが、負けると7連敗となり、ポストシーズンの敗退も決まる。

 また、前日までのツインズは、「ポストシーズンで最後に挙げた白星が最も遠いチーム」でもあった。

 こちらの称号は、ロサンゼルス・エンジェルスに受け継がれた。エンジェルスが最後に勝ったポストシーズンの試合は、2009年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第5戦だ。この試合は、打順3番~5番のトリ・ハンターブラディミール・ゲレーロケンドリース・モラレスが2打点ずつを挙げ、7対6でニューヨーク・ヤンキースからシリーズ2勝目を挙げた。

 最後の白星がこれほど遠いにもかかわらず、エンジェルスの連敗は、継続中ながら、4にとどまっている。その理由は、ポストシーズン進出自体の少なさにある。

 2009年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第6戦に負けて敗退後、エンジェルスがポストシーズンに進んだのは、2014年の1度きり。連敗が続いていることからわかるとおり、この年は最初のディビジョン・シリーズでカンザスシティ・ロイヤルズにスウィープされた。

 なお、現在のエンジェルスは、デトロイト・タイガースとともに「ポストシーズンから最も遠ざかっているチーム」の称号も持つ。タイガースも、2014年のポストシーズンは最初のディビジョン・シリーズでスウィープされた――相手はボルティモア・オリオールズ――が、その前年のポストシーズンで白星を挙げている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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