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ドラフト全体1位の「満塁男」が「ミスター・オクトーバー」に!? 初打席から2打席連続ホームラン

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロイス・ルイス(ミネソタ・ツインズ)Oct 3, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月3日、ミネソタ・ツインズは、ワイルドカード・シリーズの1試合目に勝ち、2004年から続いていたポストシーズンの連敗を18試合でストップさせた。

 スコアは3対1。パブロ・ロペスが5.1イニングを1失点に抑え、「3番・DH」のロイス・ルイスが1打席目と2打席目にホームランを打った。2ランとソロだ。

 ルイスは、2017年のドラフトで全体1位指名を受け、昨年の5月上旬にメジャーデビューした。そこから1ヵ月経たずに右膝の靱帯を損傷し、ちょうど1年後に復帰を果たした。

 昨シーズンと今シーズンを合わせ、通算70試合で17本のホームランを打っている。そのうちの5本はグランドスラムだ。昨シーズンは、デビュー7試合目の初本塁打がそう。今シーズンは、8月27日~9月15日に18試合で4本のグランドスラム――とそれ以外のホームラン4本――を記録した。

 ESPNスタッツ&インフォによると、ポストシーズンの初打席と2打席目のどちらもホームランは、1987年のゲリー・ガイエティと2008年のエバン・ロンゴリア(当時タンパベイ・レイズ/現アリゾナ・ダイヤモンドバックス)に続き、ルイスが3人目だという。

 ポストシーズンはまだ始まったばかりだが、「満塁男」が「ミスター・オクトーバー」となり、ツインズを1991年以来のワールドシリーズとワールドシリーズ優勝に導くかもしれない。ちなみに、10月3日の3打席目と4打席目は、四球と内野ゴロ。満塁の打席はなかった。

 36年前のガイエティも、ツインズでプレーしていた。この年のポストシーズンでは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの2本塁打に加え、ワールドシリーズでも1本塁打。ツインズは、ワールドシリーズでセントルイス・カーディナルスを倒した。

 15年前のロンゴリアは、ディビジョン・シリーズの2本塁打に続き、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズで4試合続けてホームランを打った。この年、レイズは、初めてワールドシリーズに進出した(フィラデルフィア・フィリーズに1勝4敗)。

 ツインズのポストシーズン18連敗と、ルイスが打ったグランドスラム(4本目まで)については、それぞれ、こちらで書いた。

「ポストシーズン18連敗中のツインズはブルージェイズと対戦。前田健太と菊池雄星の登板は…」

「ドラフト全体1位のルーキーが8試合で3本の満塁本塁打を打つ。通算13本塁打中グランドスラムは4本」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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