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ドラフト全体1位のルーキーが8試合で3本の満塁本塁打を打つ。通算13本塁打中グランドスラムは4本

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロイス・ルイス(ミネソタ・ツインズ)Sep 4, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロイス・ルイス(ミネソタ・ツインズ)は、8月27日~9月4日の8試合に、5本のホームランを打っている。8月27日がグランドスラム、28日もグランドスラム、29日がソロ、9月3日が3ラン、4日はグランドスラムだ。

 オプタ・スタッツによると、8試合のスパンに5本塁以上のホームランを打ち、そのうちの3本がグランドスラムは、メジャーリーグ史上、1931年のルー・ゲーリッグに続く2人目だという。

 また、ESPNスタッツ&インフォによると、8試合のスパンにグランドスラム3本は4人目。1931年のゲーリッグ、1968年のジム・ノースラップ、1982年のラリー・パリッシュに、今シーズンのルイス。このなかで、ルーキーはルイスだけだという。

 パリッシュは、1989年と1990年に、それぞれ、ヤクルト・スワローズと阪神タイガースでプレーした。

 ルイスは、2017年のドラフト全体1位だ。現在の年齢は24歳。昨年5月6日にメジャーデビューした。ただ、昨シーズンのメジャーリーグ出場は12試合。5月29日に右膝の靱帯を損傷し、1年後の5月29日に復帰した。

 ルイスの復帰については、こちらで書いた。

「大怪我のちょうど1年後、まったく同じ日に復帰したドラフト全体1位が、本塁打を含む4打点を挙げる」

 今シーズンの出場も、まだ50試合に達していない。7月初旬に左の脇腹を痛め、先月半ばまで故障者リストに入っていた。

 とはいえ、出場した試合のスタッツは優れている。昨シーズンの12試合で打率.300と出塁率.317、2本塁打、OPS.867に続き、今シーズンは、9月4日までの44試合で打率.317と出塁率.363、11本塁打、OPS.908を記録している。

 昨年5月13日のメジャーリーグ初本塁打も、グランドスラムだった。通算13本塁打のうち、満塁本塁打は4本。あとの9本は、ソロが5本、2ランと3ランが2本ずつだ。満塁の場面では、通算11打席で11打数6安打を記録し、19打点を挙げている。

 今シーズンのグランドスラム3本は、アレックス・ブレグマン(ヒューストン・アストロズ)、アドリス・ガルシア(テキサス・レンジャーズ)、マックス・マンシー(ロサンゼルス・ドジャース)と並び、両リーグで最も多い。

 グランドスラムのシーズン最多は、1987年のドン・マッティングリーと2006年のトラビス・ハフナーによる6本だ。

 通算最多は、アレックス・ロドリゲスの25本。ロドリゲスは、1993年のドラフト全体1位だ。シアトル・マリナーズとレンジャーズで遊撃を守った後、ニューヨーク・ヤンキースでは三塁手としてプレーした。ルイスは、もともと遊撃手だが、昨オフ、ツインズからFAになったカルロス・コレイアが紆余曲折を経て戻ってきたため、今シーズンは三塁を守っている。

 ゲーリッグが記録した通算23本のグランドスラムは、ロドリゲスに次いで多い。通算20本以上は他に1人、21本のマニー・ラミレスしかいない。

 なお、9月4日の試合で、ルイスにグランドスラムを喫したルーカス・ジオリト(クリーブランド・ガーディアンズ)は、こちらも珍しい記録に名を刻んだ。

 それについては、こちらで書いた。

「1シーズンに3チームで投げ、どのチームでも「1試合8失点以上」の大炎上」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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