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この選手のシーズン安打は15本だが、そのうちの10本がホームラン

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョシュ・ドーナルソン(ニューヨーク・ヤンキース)Jul 5, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月15日、ジョシュ・ドーナルソン(ニューヨーク・ヤンキース)は、シーズン2度目の故障者リストに入った。

 ここまでの出場は33試合。打率と出塁率は.142と.225だ。今シーズンのサンプルはわずかながら、出場132試合の昨シーズンも.222と.308に過ぎなかった。

 また、今シーズンは4年9200万ドルの契約最終年(2024年は球団オプション)。年齢は37歳だ。DFA→解雇の条件は、揃っているように見える。

 ただ、今シーズンの15安打中、3分の2の10本はホームランだ。106打数で10本塁打なので、10.6打数に1本のホームランを打っている。

 ドーナルソンは、2015~19年の5シーズンに、30本塁打以上を4度記録した。そのうちの3度は35本塁打を超え、41本塁打の2015年はMVPを受賞している。

 今シーズンの15安打は、以下のとおり。

筆者作成
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 シーズン後半の2試合は、7打数0安打だ。

 ESPNスタッツ&インフォによると、オールスター・ブレイクの前に二桁本塁打の選手のなかで、15安打は史上最少だという。それまでは、2005年の前半にフランク・トーマスが11本のホームランを打った時の、20安打が最も少なかった。

 彼らを比べると、10本塁打に到達した時点の安打も、ドーナルソンのほうが少ない。ドーナルソンの14安打に対し、18年前のトーマスは17安打だ。2人とも、37歳のシーズンという点は共通する。

 この年、トーマスが一筋にプレーしてきたシカゴ・ホワイトソックスは、88年ぶりのワールドシリーズ優勝を飾った。だが、トーマスは34試合の出場――23安打中12本がホームラン――にとどまり、ポストシーズンではプレーできなかった。

 そのオフ、ホワイトソックスにオプションを破棄されたトーマスは、オークランド・アスレティックスへ移り、39本のホームランを打った。

 ドーナルソンも、オプションを行使されることはないだろう。ヤンキースは、年俸1600万ドルの球団オプションを破棄し、解約金の800万ドルを払うはずだ。来シーズンも、ドーナルソンがプレーするのかどうかは、まだわからない。

 あと24本のホームランを打つと、ドーナルソンの通算本塁打は300本となる。

 300本塁打以上の現役選手については、こちらで書いた。

「今シーズンの「300本塁打到達」はマチャドが4人目。ここからも人数は増える!? 残り一桁が2人」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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