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首位打者の「本命」が8試合続けてマルチ・ヒットを記録し、トップの大谷翔平に着々と近づく

宇根夏樹ベースボール・ライター
ルイス・アライズ(サンディエゴ・パドレス)May 23, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は、打率.354を記録している。この打率は、チームの試合数×3.1打席以上の選手のなかで、最も高い。5月22日が終わった時点で、打率.340以上は大谷しかいなかった。

 だが、首位打者の本命が、着々と打率を上げてきている。今月4日のトレードでマイアミ・マーリンズからサンディエゴ・パドレスへ移った、ルイス・アライズがそうだ。

 トレード前の打率は.299、5月13日の時点でも.301だった。マーリンズとパドレスは、どちらもナ・リーグのチームなので、タイトルあるいはリーグ順位には、移籍前のスタッツも含まれる。

 そこから、8試合続けてマルチ・ヒット――1試合2安打以上――を記録し、5月23日の時点では打率.341としている。5月14日~21日の6試合が2安打ずつ、22日と23日は4安打ずつ。この8試合は、38打数20安打、打率.526だ。

 過去2シーズンとも、アライズは、首位打者を獲得している。2022年はミネソタ・ツインズで打率.316、2023年はマーリンズで打率.354。昨シーズンは、マーリンズが78試合を終えた時点で、72試合に出場し、打率.401を記録していた。

 スタットキャストによると、アライズのスウィング・スピードは平均62.4マイル、スウィング・レングスは平均5.9フィート(5月22日時点)。今シーズン、100スウィング以上の331人中、アライズのスウィングは、最も遅く、最もコンパクトだ。

 このデータについては、今月中旬にこちらで書いた。

「大谷翔平のスウィング・スピードは平均75.4マイル。鈴木誠也、吉田正尚、ラーズ・ヌートバーは!?」

 なお、マルチ・ヒットのストリークは、1923年にロジャース・ホーンズビーが記録した13試合が、1900年以降の最長だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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