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ベッツの「15打席連続凡退なし」はここ半世紀の最長に並ぶ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)Jun 30, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月1日、ムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)の3打席目は、三塁ゴロに終わった。

 ベッツの凡退は、6月28日の2打席目以来だ。その間は、28日の3打席目以降が、ホームラン、四球、四球。29日の4打席が、二塁打、二塁打、犠牲フライ、四球。30日の6打席が、ホームラン、ホームラン、シングル・ヒット、四球、二塁打、四球。7月1日の最初の2打席は、四球と犠牲フライ。15打席続けて、凡退がなかった。

 オプタ・スタッツによると、この15打席は、安打なしの打数が皆無のストリークとしては、ここ50年で最も長く、ペドロ・ゲレーロ(1985年7月23日~27日)、フランク・トーマス(1997年5月16日~20日)、バリー・ボンズ(1998年8月31日~9月4日)、ジョン・オルルード(1998年9月16日~22日)の4人に並ぶという。

筆者作成
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 5人のうち、ゲレーロとベッツの15打席には、犠牲フライが含まれているので、15打席連続出塁ではない。ゲレーロは、14打席連続出塁と犠牲フライだ。ベッツの連続出塁はさらに短く、二桁に達していない。5打席連続出塁→犠牲フライ→8打席連続出塁→犠牲フライだ。

 ただ、それぞれのスパンを比べると、いずれもハイ・クオリティながら、ベストはベッツの15打席のような気がする。ホームラン3本は5人のなかで最も多く、二塁打3本も最多タイ。計6本の長打を打っているのも、ベッツだけだ。

 ベッツを含む5人とも、このスパンだけが素晴らしかったわけではない。オルルードがオールスター・ゲームのメンバーに選ばれたのは、1993年と2001年の2度だが、あとの4人は5度以上。ベッツは、今年が7度目の選出だ。

 なお、1985年のゲレーロは、先月の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)と同じく、6月に15本のホームランを打っている。当時、この本数は6月の最多タイ。ナ・リーグに限ると、単独最多だった。

 6月に15本以上のホームランを打った選手については、こちらで書いた。

「6月に月間15本塁打以上の選手はシーズン全体で何本のホームランを打ったのか。大谷翔平は8人目」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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