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ダグアウトで味方同士が殴り合い寸前。先発投手が三塁手に怒り心頭

宇根夏樹ベースボール・ライター
マッケンジー・ゴア(ワシントン・ナショナルズ)Jun 14, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月14日、2回表が終わった直後に、ナショナルズ・パークのダグアウトで騒動が起きた。

 マッケンジー・ゴア(ワシントン・ナショナルズ)がニック・センゼルに何かを言い、それに対し、センゼルも言い返す。2人の間に入ったレイン・トーマスがゴアを宥めようとしているように見えるが、センゼルが両手でゴアの胸を押した。ゴアもやり返そうとしたところで、ジェシー・ウィンカーがゴアの肩を抱くようにして引き離さなければ、殴り合いになっていたかもしれない。

 この日、ゴアは先発マウンドに上がり、センゼルは三塁を守った。トーマスとウィンカーは、それぞれ、ライトとレフトとして出場した。

 2回表、2死二、三塁からの内野安打で、マイアミ・マーリンズは、先制点を挙げた。ナショナルズは、先制点を挙げられた。この打球は、三塁線のほぼ真上、ベースの後方でセンゼルが捕り、一塁へ投げた。ジョーイ・メネセスが送球を受けるよりも、ニック・フォーテズが一塁に達するほうが早かった。

 どうやら、センゼルが全力で投げなかった、というのがゴアの怒りの理由らしい。無失点でイニング終了、と思ったのだろう。スタットキャストによると、この送球は72.7マイル。センゼルの送球は、平均83.9マイルだ。

 ただ、終わりよければすべてよし、なのかどうかはさておき、遺恨が残ることはなさそうだ。

 ゴアは、7イニングを投げて10三振を奪い、マーリンズに2点目は許さなかった。センゼルは、3打数0安打(1四球)ながら、トーマスはホームランで3打点を挙げ、メネセスとCJ・エイブラムスは2打点ずつ、ウィンカーは1打点。ナショナルズは8対1で勝利を収めた。

 この試合を終え、ナショナルズは、33勝36敗。借金は3あるものの、ワイルドカードの3番手との差は、1.5ゲームに過ぎない。

 ゴアは、先発14登板で防御率3.24を記録している、センゼルの出塁率.345は、これまでシンシナティ・レッズでプレーした5シーズンを上回っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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