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強打の捕手は人気者!? 今シーズンの在籍は早くも3球団目

宇根夏樹ベースボール・ライター
ゲリー・サンチェス May 21, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月29日、サンディエゴ・パドレスは、ニューヨーク・メッツからゲリー・サンチェスを手に入れた。4日前、サンチェスは、メッツにDFAとされた。ウェーバー公示中のサンチェスに対し、パドレスが獲得の名乗りを上げた。

 今シーズンに入ってから、サンチェスが在籍するのは、パドレスが3球団目だ。メッツの前には、メジャーリーグには昇格していないものの、サンフランシスコ・ジャイアンツにいた。

 昨オフにミネソタ・ツインズからFAになった後の動き(とそれまでの実績)については、こちらで書いてきた。

「シーズン30本塁打以上が2度ある、30歳の捕手が売れ残り中。DHとしての需要もないのか」

「この強打の捕手をエンジェルスは手に入れるのか。オホッピーを欠き、スタッシの復帰時期は不明」

「この捕手のエンジェルス入団が現実味を帯びてきた!? 捕手2人の一方が首に張りを訴え…」

「強打の捕手はエンジェルスではなくメッツと契約。同じ日、エンジェルスの捕手は故障者リスト入り」

「強打の捕手がシーズン初出場へ。クラーケンがビッグ・アップルに戻ってくる」

「3試合に出場しただけで「強打の捕手」がDFAとされる。ルーキーの「覚醒」が判断材料となった!?」

 簡単に言うと、捕手であるサンチェスのセールス・ポイントは、2つの「30」だろう。2017年と2019年に30本塁打以上を記録していて、現在の年齢は30歳だ。

 パドレスは、オースティン・ノラルイス・カンプサノの捕手2人を擁し、開幕を迎えた。現在は、ノラとブレット・サリバンの2人だ。

 カンプサノは、先月中旬にブルペンで投球を受けていて、左手の親指を痛めた。手術を受け、復帰はオールスター・ブレイク前後の見込みだ。

 ここまで、ノラは打率.131と出塁率.252、サリバンは打率.170と出塁率.184。ホームランは1本ずつしかなく、OPSはどちらも.500に満たない。

 なお、パドレスは、今月20日にケビン・プラウェッキーとマイナーリーグ契約を交わしている。こちらは、32歳の捕手だ。今年の在籍球団は、開幕前のピッツバーグ・パイレーツを含めると、サンチェスと同じく3球団目。今月半ばまでは、ワシントン・ナショナルズにいた。3度ともマイナーリーグ契約を交わし、最初の2度は、プラウェッキーが契約についていたオプト・アウトの権利を行使した――契約を打ち切った――ようだ。

 パドレスからすると、打てる捕手ではないプラウェッキーは、ノラとサリバンの一方が故障した場合の「保険」だったということだろうか。

 サンチェスは、DHとして起用されることもあるかもしれない。マット・カーペンターネルソン・クルーズは、合わせて7本塁打。2人とも、出塁率は.310に届かず、OPSは.700未満だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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