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大谷翔平がマイク・トラウトを空振りさせ、WBC優勝を決めた球種はスライダーではなかった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平 Mar 21, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1点リードの9回表、2死走者なしのフルカウントから、大谷翔平が投げた球に対し、マイク・トラウトはバットを振った。球はバットに当たらず、中村悠平のミットに収まった。この瞬間、日本のワールド・ベースボール・クラシック優勝が決まり、アメリカの連覇は潰えた。

 最後の球はスライダーだった――。

 最後の球はスライダーではなかった――。

 相反するようだが、どちらも間違いではない。

 スタットキャストは、この球種をスウィーパーとしている。もっとも、スウィーバーは、スライダーの一種と言っていい。ざっくり説明すると、横方向の動きが大きく、落差の小さいスライダーだ。

 いつの時点からそうしているのかは不明だが、スタットキャストは、これをスライダーとは違う球種に分類している。時を遡り、これまでのスライダーも、スライダーとスウィーパーに分け直しているようだ。数年前、この球種が注目され始めた当初は、スウィーピング・スライダーと称されていた記憶がある。

 ベースボールにおいては、同一カードの全勝/全敗を、スウィープ(箒などで一掃)する/されると表現する。この球種は、スウィープする(掃く)ように動くので、スウィーパーだ。

 スタットキャストによると、昨年、大谷が投げた球は、スウィーパーが37.4%と最も多かった。それ以外は、4シームが27.6%、スプリッターが11.8%、カッターが8.7%、カーブが8.6%、シンカーが3.7%、スライダーは2.2%。大谷のスウィーパーは、横方向の動きが平均14.1インチ、落下は平均32.7インチ。それに対し、スライダーは、横が平均6.7インチ、縦は平均42.7インチだ。

 なお、大谷がトラウトに投じた6球は、初球が88.3マイルのスウィーパー(ボール)、2球目が100.0マイルの4シーム(空振り)、3球目が99.8マイルの4シーム(ボール)、4球目も99.8マイルの4シーム(空振り)、5球目が101.6マイルの4シーム(ボール)、最後は87.2マイルのスウィーパー(空振り)だった。

 シーズンが始まると、大谷とトラウトは、ロサンゼルス・エンジェルスのチームメイトとしてプレーする。ただ、早ければ今年中に、彼らの対戦は実現するかもしれない。延長契約を交わさない限り、大谷は、シーズン終了後にFAとなる。この夏、トレードによる移籍があり得る、ということだ。

 大谷とともに優勝を味わった、ダルビッシュ有吉田正尚ラーズ・ヌートバーが、それぞれ、今年対戦する可能性がある試合については、こちらに書いた。

「大谷翔平とラーズ・ヌートバーはいつ対戦するの!? WBCが終わり、開幕はもうすぐ」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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