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1イニングに6度の押し出し四球。それでも最多記録ではなく…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ニコ・ホーナーとマイク・トークマン May 11, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月11日、シカゴ・カブスは、1対6で迎えた5回表に7点を挙げ、8対6と逆転した。

 延べ13人が打席に立ち、安打は3本。このイニング3本目のシングル・ヒットによる1打点を除くと、あとの6打点は、いずれも押し出し四球によるものだ。2死満塁から、四球、四球、四球、四球、ヒット、四球、四球と続いた。その間には、2時間以上にわたる雨天中断もあった。

 四球で打点を挙げた6人は、ニコ・ホーナーマイケル・ブッシュマイルス・マストロボーニーヤン・ゴームズ鈴木誠也コディ・ベリンジャーだ。彼らのうち、マストロボーニーは、今シーズン2打点目。最初の打点は、4月6日に内野ゴロを打った際、三塁走者が生還した。

 一方、押し出したのは、ピッツバーグ・パイレーツの3人だ。カイル・ニコラスが3人、ジョシュ・フレミングが1人、コリン・ホールダーマンが2人を歩かせた。ストライクなしの与四球(4球)が4度に、ストライク1球の与四球(5球)が2度だった。

 ただ、1イニングに6度の押し出し四球は、最多記録ではない。MLB.comのサラ・ラングスとイライアス・スポーツ・ビューローによると、1959年4月22日の7回表に、シカゴ・ホワイトソックスの打者たちがカンザスシティ・アスレティックスの投手たちから8度の押し出し四球を記録した後では最多、だという。

 65年前の試合は、1イニング8度の押し出し四球の間に、1度の押し出し死球を挟んでいる。

 なお、1959年4月22日のホワイトソックスは20対6で勝ち、2024年5月11日のカブスは9対10で敗れた。また、後者の試合では、昨年のドラフト全体1位がメジャーデビューした。それについては、こちらで書いた。

「昨年のドラフト全体1位が初登板で101.9マイルの速球を投げ、先発投手の球団記録を塗り替える」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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