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村上宗隆がリーチをかける「3年連続本塁打王」は王貞治と野村克也以外に誰が達成しているのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
野村克也 1977(写真:岡沢克郎/アフロ)

 過去2年とも、村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)は、本塁打王を獲得している。2021年は39本のホームランを打ち、岡本和真(読売ジャイアンツ)とタイトルを分け合った。2022年の56本塁打は、2013年にウラディミール・バレンティンが記録した60本塁打に次ぐ。セ・リーグ2位の岡本に26本差をつけ、打率.318と134打点と合わせ、三冠王となった。

 本塁打王のストリークは、王貞治の13年連続(1962~74年)が最も長い。2番目と3番目は、野村克也の8年連続(1961~68年)と中西太の4年連続(1953~56年)だ。村上が今年も本塁打王を獲得すると、3年連続は、1990~92年のオレステス・デストラーデと2011~13年のバレンティンに並び、史上4番目の長さとなる。ちなみに、デストラーデの各シーズンの本数は、42本、39本、41本。バレンティンは、31本、31本、60本だ。

 3年連続にリーチをかけた選手は、昨年の岡本が延べ29人目。今年の村上は、30人目となる。昨年の岡本を含め、29人中24人、82.8%の選手は、ストリークを伸ばすことができなかった。

筆者作成
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 本塁打王が2年連続でストップした24人のうち、最も惜しかったのは、1972年の大杉勝男だ。1971年と1972年に続き、1972年も40本塁打に到達したものの、長池徳二と1本差のパ・リーグ2位に終わった。大杉は東映フライヤーズ、長池は阪急ブレーブスでプレーしていて、東映が130試合を終えた時点では、大杉が1本リードしていた。けれども、その後、長池が最終戦に2本のホームランを打ち、大杉を逆転した。

 また、中村剛也(埼玉西武ライオンズ)は、2010年と2013年に続き、2016年も3年連続の本塁打王にリーチをかけたが、「三度目の正直」ではなく「二度あることは…」となった。こちらは、欠場が大きな理由だ。2008~16年の9シーズン中、出場試合の少ない3シーズンを並べると、26試合の2013年、85試合の2010年、108試合の2016年となる。それ以外の6シーズンは、いずれも本塁打王を獲得した。

 なお、2018年以降、セ・リーグでは、連続の本塁打王が3人続いている。2018~19年のネフタリ・ソト(横浜DeNAベイスターズ)と2020~21年の岡本に、2021年からの村上がそうだ。昨年、岡本の本塁打王は2年連続で途切れたものの、2018年にスタートしたシーズン30本塁打以上は継続させた。こちらのストリークは、現在、岡本が5年連続、村上は2年連続だ。彼らの他に、継続中の選手はいない。

 30本塁打以上のストリークについては、昨年2月にこちらで書いた。

「岡本和真がリーチをかける「5年連続30本塁打」は誰が達成しているのか。原辰徳は4年でストップ」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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