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「40本塁打以上で100打点未満」の打者たち。今年の山川穂高は41本塁打&90打点

宇根夏樹ベースボール・ライター
門田博光 1977(写真:岡沢克郎/アフロ)

 今シーズン、山川穂高(埼玉西武ライオンズ)は、41本のホームランを打ち、90打点を挙げた。

 1シーズンに40本塁打以上は、延べ123人が記録している。今シーズンの村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)と山川が、122人目と123人目だ。そのうち、100打点未満は、23.6%の29人。4~5人に1人の割合ということになる。

 山川の40本塁打以上で100打点未満は、2019年に40本塁打&94打点の坂本勇人(読売ジャイアンツ)以来。パ・リーグでは、2007年に42本塁打&96打点のタフィー・ローズ以来だ。

筆者作成
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 なかには、40本塁打以上が3度ありながら、いずれも100打点に届かなかった選手もいる。田淵幸一がそうだ。阪神タイガース時代の1974~75年は、45本塁打&95打点と43本塁打&90打点。西武ライオンズ時代の1980年は、43本塁打&97打点だった。

 秋山幸二は、3度の40本塁打以上のうち、95打点未満が2度だ。1985年が40本塁打&93打点、1987年は43本塁打&94打点。その間の1986年は、41本のホームランを打ち、115打点を挙げた。

 40本塁打以上&90打点未満は3人。1980年の門田博光は、41本塁打を記録しながら、打点は84にとどまった。今シーズンの山川の90打点は、1975年の田淵と並び、40本塁打以上の選手では4番目に少ない。

 山川のホームランは、ソロが21本、2ランが14本、3ランが6本、グランドスラムはなかった。無走者(ソロ)と有走者(2ラン以上)がほぼ半々だ。埼玉西武の出塁率は、リーグ5位の.298だった。

 過去2度の40本塁打以上は、2018年が、ソロ26本、2ラン13本、3ラン6本、グランドスラム2本の47本塁打。2019年は、ソロ24本、2ラン14本、3ラン4本、グランドスラム1本の43本塁打。埼玉西武の出塁率は、2018年が.352、2019年は.344だ。山川は、2年連続40本塁打以上&120打点以上。124打点と120打点を挙げた。

 ただ、2018年も2019年も、本塁打王は獲得したものの、打点王は逃している。両シーズンとも、チームメイトと3打点差のリーグ2位。2018年の打点王は浅村栄斗(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)、2019年は中村剛也だ。一方、今シーズンの山川は、本塁打と打点の二冠王となった。

 また、45本塁打以上を記録しながら、100打点未満の選手は5人いる。そのうち、1970年の王貞治と1979年の掛布雅之は、打点がホームランの本数の2倍に届かなかった。それぞれ、47本塁打&93打点と48本塁打&95打点だ。

 なお、今シーズンのメジャーリーグでは、ロサンゼルス・エンジェルスのマイク・トラウトが、40本塁打&80打点を記録している。それについては、こちらで書いた。

「40本塁打のトラウトと20本塁打のこの選手はどちらも同じ80打点。彼らを比べると…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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