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40本塁打のトラウトと20本塁打のこの選手はどちらも同じ80打点。彼らを比べると…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)Aug 29, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)は、40本のホームランを打った。62本塁打のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)に次ぎ、ア・リーグ2位に位置した。

 けれども、トラウトの打点は80にとどまった。こちらは、トップ10にも入っていない。18位タイだ。ボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)と並んでいる。

 ウィットJr.のホームランは、33位タイの20本だ。ホームランはトラウトの半数ながら、トラウトと同じ打点を記録した。

 彼らには、100打席以上の差がある。トラウトが499打席、ウィットJr.は632打席だ。また、得点圏に走者がいたのは、それぞれ、92打席と141打席。得点圏打率も.243と.323なので、トラウトのほうが低い(得点圏OPSは.935と.866)。

 なかでも、最大の違いは、走者の人数だろう。トラウトが打席に立った時、塁上にいた走者は計244人、ウィットJr.は計366人だ。そのうち、得点圏にいた走者は、104人と162人。いずれも、トラウトの人数は、ウィットJr.の3分の2に過ぎない。1打席平均の走者は、トラウトが0.49人、ウィットJr.は0.58人。得点圏の走者は、0.21人と0.26人だ。

ボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)Sep 11, 2022
ボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)Sep 11, 2022写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 なお、40本塁打&80打点と20本塁打&80打点は、トラウトが記録したスタッツのほうが稀だ。

 1シーズンに40本塁打以上の延べ357人中、80打点以下の選手は、2017年のジョーイ・ギャロ(当時テキサス・レンジャーズ/現ロサンゼルス・ドジャース)と今シーズンのトラウトしかいない。5年前のギャロは、41本塁打と80打点だ。この2人を除く355人は、少なくとも90打点を挙げている。

 一方、1シーズンに80打点以上の延べ4976人中、20本塁打以下の選手は、1975人を数える。今シーズンも、ウィットJr.を含む5人がそうだった。彼らのうち、ジャスティン・ターナー(ロサンゼルス・ドジャース)は、15本未満。13本塁打と81打点を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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