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今世紀のワールドシリーズ優勝2度以上はアストロズが4チーム目、敗退2度以上はフィリーズが8チーム目

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヒューストン・アストロズ Nov 5, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年のワールドシリーズは、ヒューストン・アストロズが4勝2敗でフィラデルフィア・フィリーズを下し、5年ぶり2度目の優勝を飾った。

 今世紀に入ってから、複数のワールドシリーズで優勝は、アストロズが4チーム目だ。4度のボストン・レッドソックス(2004年、2007年、2013年、2018年)が最も多く、1年おきに3度のサンフランシスコ・ジャイアンツ(2010年、2012年、2014年)が次ぐ。アストロズは、今年の優勝により、2度のセントルイス・カーディナルス(2006年、2011年)と並んだ。アストロズに敗れたフィリーズは、2008年に優勝しているので、今年のワールドシリーズは、進出チームが決まった時点で、どちらが制しても、今世紀2度目の優勝となることが決まっていた。

 一方、フィリーズのワールドシリーズ敗退は、2009年に続き、今世紀2度目だ。今世紀に入ってから、複数のワールドシリーズで敗退したチームは、複数の優勝よりも多い。フィリーズが加わり、8チームとなった。こちらの最多は、3度のアストロズ(2005年、2019年、2021年)だ。2005年は、まだナ・リーグにいた。

 フィリーズを含む7チームは、いずれも2度敗退。テキサス・レンジャーズとロサンゼルス・ドジャースは、2年続けて敗れ去った。それぞれ、2010~11年と2017~18年がそうだ。ドジャースは2020年に優勝したが、レンジャーズは、20世紀を含めても、一度も優勝がない。

 また、今世紀のワールドシリーズ進出は、5度のアストロズが最も多い。優勝2度と敗退3度だ。次いで多いのは、4度の3チーム。レッドソックスは進出したどのシリーズも優勝し、ジャイアンツは2002年が敗退であとの3度が優勝。カーディナルスは、レッドソックスと対戦した2004年と2013年が敗退、レッドソックス以外と対戦した2度は優勝だ。

 なお、30チーム中21チームは、今世紀のワールドシリーズに進出している。その21チーム目は、昨年のアトランタ・ブレーブスだ。1999年を最後に、ワールドシリーズから遠ざかっていた。

 今世紀のワールドシリーズで優勝したチームは、15を数える。こちらも、昨年のブレーブスが15チーム目だ。1995年以来の優勝を果たした。また、15チームのうち、2001年のアリゾナ・ダイヤモンドバックス、2002年のアナハイム・エンジェルス(現ロサンゼルス・エンジェルス)、2019年のワシントン・ナショナルズは、20世紀も含め、初めて進出したワールドシリーズを制した。

 なお、こちらでは、今世紀に入ってから、日本シリーズで優勝していない球団について書いた。

「オリックスが26年ぶりに優勝し「今世紀の日本シリーズ優勝なし」は3球団に」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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