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「トレード移籍→ワールドシリーズ出場」は7~8人。ベイダー、ソト、マーシュ…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ハリソン・ベイダー(ニューヨーク・ヤンキース)Oct 15, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ポストシーズンに進出した12チームのうち、3分の2の8チームは、すでに敗退している。残る4チームは、ナ・リーグがサンディエゴ・パドレスとフィラデルフィア・フィリーズ、ア・リーグはヒューストン・アストロズとニューヨーク・ヤンキース。ナ・リーグは、シードの低い2チームがリーグ・チャンピオンシップ・シリーズで対戦している。対照的に、ア・リーグはシード上位の2チームだ。

 どのチームも、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズのロースターには、シーズン途中のトレードで加わった選手がいる。ナ・リーグの2チームは4人ずつ、ア・リーグの2チームは3人ずつだ。ワールドシリーズがいずれのカード――パドレス対アストロズ、パドレス対ヤンキース、フィリーズ対アストロズ、フィリーズ対ヤンキース――になっても、このままのロースターなら、「シーズン途中のトレード→ワールドシリーズ出場」は7人となる。ナ・リーグの4人とア・リーグの3人だ。

筆者作成
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 ただ、ヤンキースのロースターには、7月27日にカンザスシティ・ロイヤルズから移ってきた、アンドルー・ベニンテンディが入っていない。9月上旬に右手首の手術を受け、ポストシーズンで復帰することをめざしているが、ディビジョン・シリーズとリーグ・チャンピオンシップ・シリーズには間に合わなかった。ヤンキースがワールドシリーズに進み、ベニンテンディがそれまでに回復すれば、ロースター入りは間違いない。レフトを守り、ハリソン・ベイダーアーロン・ジャッジとともに外野トリオを形成するはずだ。ちなみに、ディビジョン・シリーズの5試合で、ベイダーは3本塁打、ジャッジは2本塁打を記録している。

 一方、8月1日にシカゴ・カブスからヤンキースへ移籍したスコット・エフロスは、今年のポストシーズンだけでなく、来シーズンも投げられない。近々、トミー・ジョン手術を受ける。その経緯については、「ニューヨークの雨はどっちの味方!? ガーディアンズ対ヤンキースのALDS第2戦は、翌日に順延」で書いた。このポストシーズンで、ヤンキースは、ブルペンがアキレス腱となりかねない。

 また、アストロズでは、8月2日にアトランタ・ブレーブスから移籍したウィル・スミスが、ディビジョン・シリーズに続き、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズのロースターにも入らなかった。移籍前の防御率4.38に対し、移籍後は防御率3.27だが、スミスは、最後の7登板中3登板で点を取られている。ヤンキースには左打者が多くないことも、ロースター外の理由かもしれない。スミスは左投手だ。パドレスとフィリーズは左打者が少なくないので、アストロズがワールドシリーズへ進んだ場合は、ロースター入りもあり得る。

 なお、パドレスのロースターに名を連ねる26人については、こちらで書いた。

「パドレスのロースターに「ドラフト入団」は2人だけ。ダルビッシュやソトら16人はトレードで加入」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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