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ニューヨークの雨はどっちの味方!? ガーディアンズ対ヤンキースのALDS第2戦は、翌日に順延

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヤンキー・スタジアム Sep 25, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月13日に行われるはずだった、クリーブランド・ガーディアンズとニューヨーク・ヤンキースによるディビジョン・シリーズ第2戦は、雨により、翌日に順延となった。どちらも先発投手の変更はなく、14日にシェーン・ビーバーネスター・コーテズが投げ合う。11日の第1戦は、ヤンキースが4対1で勝っている。

 両チームとも、このシリーズは、3人のローテーションを予定していた。ガーディアンズは、カル・クオントリル、ビーバー、トリスタン・マッケンジー。ヤンキースは、ゲリット・コール、コーテズ、ルイス・セベリーノだ。シリーズが3試合で終わらなかった場合、第4戦は、クオントリルとコールが中4日で登板する。第5戦は、ビーバーとコーテズが中3日の「ショート・レスト」で投げる可能性が高かった。

 順延前の登板予定は、以下のとおり。

筆者作成
筆者作成

 そこから、第2戦が1日後ろにずれたが、第4戦までの先発投手はそのままだ。シリーズが4試合で終われば、順延の影響はないだろう。ただ、第5戦までもつれると、ビーバーもコーテズも、第2戦から中2日となる。登板は考えにくい。

 ヤンキースのロースターには、本来は先発投手の2人、ジェイムソン・タイオンドミンゴ・ハーマンが入っている。今シーズンは、それぞれ、177.1イニングで防御率3.91と72.1イニングで防御率3.61を記録した。一方、ガーディアンズのロースターには3人の先発投手、131.2イニングで防御率4.31のザック・プリーサック、97.0イニングで防御率4.92のアーロン・シバーレ、23.2イニングで防御率2.28のコディ・モリスがいる。ハーマンとプリーサックのイニングと防御率は、救援1登板を含む。9月にメジャーデビューしたモリスは、先発5登板と救援2登板だ。

 このなかの誰かが第5戦の先発マウンドに立つ場合、レギュラーシーズンの防御率からすると、ヤンキースが有利なように思える。ガーディアンズは、ルーキーのモリスではなく、プリーサックかシバーレを起用するだろう。

 もっとも、最初からリリーフ投手をつないでいく方法もある。また、先発投手が早めに降板する可能性も、低くはない。ブルペンの防御率は、ガーディアンズが3.05、ヤンキースは2.97なので、ほぼ同じだが、後半戦に限ると2.32と3.08だ。

 しかも、ヤンキースは、夏にシカゴ・カブスから獲得したスコット・エフロスを欠いている。ニューヨーク・ポストのグレッグ・ジョイスらによると、9月30日に投げた時から、右肘に軽い痛みがあったという。10月3日の登板を経て、7日の打撃練習に投げた後、検査を受けたところ、靱帯に損傷が見つかり、トミー・ジョン手術を受けることが決まった。

 なお、ヤンキースのロースターにアロルディス・チャップマンがいないのは、エフロスとは違う理由だ。それについては、こちらで書いた。

「練習をサボらなければ、チャップマンはロースターに入っていたのか」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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