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抑えて当たり前!? この投手の年俸3600万ドルは、相手打線9人の合計額とほぼ同じ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)Oct 16, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)は、ディビジョン・シリーズ第1戦と第4戦の先発マウンドに上がった。第1戦は6.1イニングで1失点、第4戦は7イニングで2失点。2試合とも、クリーブランド・ガーディアンズをよく抑え、いずれも白星を手にした。

 シリーズは、4試合を終えて2勝2敗だ。ヤンキースは「コールが登板した試合」で2勝、ガーディアンズは「コールが登板しなかった試合」で2勝を挙げている。

 第1戦と第4戦のスターティング・ラインナップに並んだ、ガーディアンズの野手9人は以下のとおり。7番が違うだけで、他の8人は同じだ。

筆者作成
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 スポトラックによると、9人の合計年俸は3660万6600ドルとなる。第1戦と第4戦の7番打者、ウィル・ブレナンガブリエル・アリアスは、2人とも年俸70万ドルなので、合計額は変わらない。

 一方、彼らに対して投げた、コールの年俸は3600万ドルだ。9人の合計額とは、60万6600万ドルしか違わない。

 また、ガーディアンズの9人のなかから、年俸2200万ドルのホゼ・ラミレスを除くと、8人の合計はコールの半額以下となる。3660万6600ドル-2200万ドル=1460万6600万ドルだ。

 コールの年俸は高く、ガーディアンズの年俸総額は安い。それにより、これほどの差がついた。ガーディアンズで年俸1000万ドル以上の選手は、ラミレスしかいない。ラミレスに次ぐのは、年俸600万ドルのシェーン・ビーバーだ。ラミレスとビーバー以外の年俸は、いずれも500万ドルに満たない。ちなみに、第2戦に登板したビーバーは、自身に白星こそつかなかったものの、5.2イニングを投げ、ヤンキースを2点に抑えた。

 なお、各チームの年俸総額については、こちらで書いた。

「年俸総額1億7000万ドル以上の12チーム中、エンジェルスを含む3チームは、ポストシーズンへ進めず」

 ラミレスの契約については、こちら。

「この三塁手が得た契約の総額は、それまでの球団最高額の2倍以上。それでも安い!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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