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ヤンキースにアクシデント発生。ジャッジを上回るペースで本塁打を打っていた選手が離脱する

宇根夏樹ベースボール・ライター
マット・カーペンター(左)とアーロン・ブーン監督 Aug 8, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月8日、ニューヨーク・ヤンキースは、9対4で勝利を収め、今シーズン最長の5連敗にピリオドを打った。

 けれども、手放しで喜ぶことはできない。「3番・DH」として出場したマット・カーペンターは、1打席目に自打球が左足の甲に当たり(次の球を空振りして三振)、2打席目には立たなかった。検査の結果、骨に亀裂が入っていることが判明し、翌日、故障者リストに入った。

 カーペンターは、不動のレギュラーではないが、いなくなれば、ヤンキースにとっては大きなマイナスとなりかねない。15本塁打はチーム5位ながら、出場47試合でこの本数だ。8.5打数に1本のペースは、アーロン・ジャッジの9.2打数/本(44本塁打)を上回る。ヤンキースだけでなく、今シーズン、3本以上のホームランを打っている350人以上のなかでトップのペースだ。

 今シーズンが始まった時、カーペンターは、テキサス・レンジャーズに在籍していた。ヤンキースに入団した経緯と直後の様子については、それぞれ、こちらで書いた。

「ヤンキースが契約したのは、チーム一筋だったベテランではなく、昨年までカーディナルス一筋のこの選手」

「ヤンキースは途中補強でも「大当たり」。この選手は8安打中6本がホームラン」

 復帰時期は、まだわからない。ちなみに、今シーズン、クリス・テイラー(ロサンゼルス・ドジャース)は、左足の亀裂骨折――自打球が原因ではない――により、7月上旬から8月上旬まで離脱した。

 なお、カーペンターの故障者リスト入りに伴い、AAAから昇格したのは、ミゲル・アンドゥーハーだ。

 アンドゥーハーは、2018年に27本塁打と47二塁打、OPS.855を記録し、新人王の投票では大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)に次ぐ2位にランクインしたが、その後は故障と不振。2019年以降のメジャーリーグ出場は計92試合に過ぎず、スタッツは、7本塁打と6二塁打、OPS.583だ。

 アンドゥーハーの昇格は、4月下旬と5月下旬、7月上旬(ダブルヘッダーのロースター27人目)に続き、今シーズン4度目。Z101デジタルのヘクター・ゴメスによると、6月上旬に2度目の降格となった際、アンドゥーハーは、ヤンキースにいたくないのでトレードに出してほしい、とアーロン・ブーン監督に語ったという。また、この直後、ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールは、アンドゥーハーがトレードを要求したのは今回が初めてではない、と報じた。

 今シーズン、アンドゥーハーは、AAAで64試合に出場し、12本塁打と15二塁打、OPS.835を記録している。8月9日の試合には、DHとして出場する予定だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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