今年のフィリーズとエンジェルスのように「監督が途中で交代したチーム」はポストシーズンに進めないのか
6月に入り、2チームの監督が立て続けに代わった。フィラデルフィア・フィリーズは3日にジョー・ジラルディ監督、ロサンゼルス・エンジェルスは7日にジョー・マッドン監督を解雇し、それぞれ、ベンチ・コーチのロブ・トムソンと三塁コーチのフィル・ネビンを監督代行とした(「エンジェルスがマッドン監督を解雇する。代行は30年前のドラフト全体1位」)。
メジャーリーグにおいて、シーズン中の監督交代は、そう珍しくない。数えたところ、1990年以降の途中交代は、その理由を問わず、今シーズンのフィリーズとエンジェルスが延べ97チーム目と98チーム目だった。1990~2021年の32シーズンに96チームなので、1シーズンに平均3チームだ。
そのほとんどのチームは、ポストシーズンに進むことができなかった。これは、当然のような気がする。
ただ、なかには、例外もある。1991年のトロント・ブルージェイズ、1999年のヒューストン・アストロズ、2003年のフロリダ・マーリンズ、2004年のアストロズ、2008年のミルウォーキー・ブルワーズ、2009年のコロラド・ロッキーズがそうだ。2003年のマーリンズは、ディビション・シリーズとリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを制し、最後はニューヨーク・ヤンキースを破り、ワールドシリーズ優勝を飾った。
この6チームのうち、2003年のマーリンズと2009年のロッキーズは、監督交代の時期が今シーズンのフィリーズとエンジェルスに近い。いずれのチームも、100試合以上が残っている時点で監督が代わった。2人目の監督が指揮を執り始めたのは、39試合目と47試合目、52試合目と57試合目だ。
今シーズンのフィリーズは、ジラルディを解雇するまでの51試合で22勝29敗を記録した。それと同じ時点で比べると、2003年のマーリンズは同じく22勝29敗、2009年のロッキーズは20勝31敗だった。今シーズンのエンジェルスは、マッドンを解雇した時点で、56試合を終えて27勝29敗。2003年のマーリンズは25勝31敗、2009年のロッキーズは24勝32敗だ。
フィリーズとエンジェルスのどちらも、ここから巻き返してポストシーズンにたどり着くことは、不可能ではない。しかも、今シーズンから、ワイルドカードは1枠増え、1リーグ3チームとなっている。