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開幕戦で大谷翔平が最も警戒すべきは、この打者か。昨年は6打数4安打

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)Oct 30, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月7日、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、開幕戦のマウンドに上がる。相手は、エンジェルスと同じ、ア・リーグ西地区のヒューストン・アストロズだ。アストロズは、開幕戦9連勝中。2013年以降は負けていない。エンジェルスは、昨シーズンの開幕戦で勝利を収め、2014年から続いていた開幕戦の連敗を7で止めた。

 昨シーズン、大谷は、アストロズに対して2試合で投げた。5月11日は、7イニングで10三振を奪い、与四球1と被安打4本。失点は、カイル・タッカーに喫したホームランによる1点だった。9月10日は、3.1イニングで6失点(自責点6)。こちらは、奪三振1、与四球0(与死球1)、被安打9本だ。ホームランはなかったが、3回裏に二塁打を2本打たれた。その相手は、ホゼ・アルトゥーベヨーダン・アルバレスだ。

 開幕戦の予想ラインナップと、大谷との対戦成績は、以下のとおり。

筆者作成
筆者作成

 2番には、マイケル・ブラントリーではなくタッカーが入り、昨シーズン、大谷からそれぞれ2安打以上の4人が、上位に並ぶかもしれない。アルトゥーベ、タッカー、アレックス・ブレグマン、アルバレスだ。なかでも、アルトゥーベは、5月11日が1安打、9月10日は3安打。チームを問わず、昨シーズン、大谷を相手に4安打以上を記録した選手は、他にいなかった。それについては、「大谷翔平をよく打った打者と打てなかった打者。なかには、5打席で5三振も…」で書いた。

 今シーズンと昨シーズンを比べると、カルロス・コレイア(現ミネソタ・ツインズ)が抜け、遊撃にプロスペクトのジェレミー・ペーニャが入る以外は、ほとんど変わっていない。ペーニャは、開幕戦に出場すると、メジャーデビューとなる。

 昨シーズン、アストロズが記録した863得点は両リーグで最も多く、221本塁打は9位ながら、834打点、打率.267、出塁率.339もトップに位置した。四球率9.0%は11位なのでそう高くないが、三振率19.4%は最も低かった。30チーム中、三振率20%未満はアストロズだけだ。

 9月10日は、大谷の調子がよくなかったのかもしれず、サンプル数としても1試合に過ぎないが、シーズン2度目の対戦で、アストロズが大谷にアジャストした可能性もある。少なくとも、三振の少なさは、アストロズの特徴と一致する。ちなみに、スタットキャストによると、9安打の球種は、4シームとスライダーが4球ずつ、カッターが1球。二塁打は、2本ともスライダーだった。

 なお、この試合で大谷と投げ合ったフランバー・バルデスは、今シーズンの開幕投手を務める。それについては、打者・大谷との対戦成績を含め、こちらで書いた。

「大谷翔平が開幕戦で対戦する投手は、バーランダーではなく…前年とはひと味違う、この左腕!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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