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2021年に「2チームでプレーした選手」。国吉の防御率は移籍前が5点台、移籍後は1点台

宇根夏樹ベースボール・ライター
中田翔 MARCH 14, 2017(写真:アフロスポーツ)

 昨年、シーズン途中に移籍し、その前後とも一軍の試合に出場した選手は、投手が3人、野手は6人いた。一軍出場が移籍前後のどちらか一方(あるいは両方とも皆無)の選手は、含めていない。

筆者作成
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 国吉佑樹(横浜DeNAベイスターズ→千葉ロッテ・マリーンズ)と公文克彦(北海道日本ハム・ファイターズ→埼玉西武ライオンズ)の防御率は、移籍後に大きく下がった。国吉は、移籍前の5.16に対し、移籍後は1.44。千葉ロッテでは、自己最多&リーグ13位タイの17ホールドを記録した。それまでの最多は、2014年の14ホールドだ。公文の登板とイニングは、国吉と比べると少ないものの、こちらの防御率も3.68→0.79。失点は、移籍前が10登板中3試合、移籍後は14登板中1試合だった。

 野手では、加藤翔平(千葉ロッテ→中日ドラゴンズ)が、移籍後に8盗塁を記録し、自己最多を更新した。刺されたのは、移籍前も移籍後も1度ずつ。それまでの最多は、2017~18年の各7盗塁だ。また、交換に中日から千葉ロッテへ移った加藤匠馬は、移籍前の一軍出場(2021年)がなかったものの、移籍後は57試合に出場し、46試合でスタメンマスクをかぶった。移籍後の打率と出塁率は.095と.128(移籍前は.135と.158)ながら、9月29日には一軍6年目(2015~17、19~21年)にして初のホームランを打ち、10月15日に2本目も記録した。

 一方、中田翔(北海道日本ハム→読売ジャイアンツ)のホームランは、移籍前と移籍後を合計しても二桁に届かず。連続20本塁打以上は3年で途切れ、2011年から10年続いていた15本塁打以上もストップした。

 また、2021年に日本プロ野球(一軍)とメジャーリーグの両方でプレーした選手もいる。コリン・レイスコット・ハイネマンがそうだ。レイは、福岡ソフトバンク・ホークスとミルウォーキー・ブルワーズで投げた。福岡ソフトバンクで6試合に先発登板して防御率2.02、ブルワーズ傘下のAAAでも7先発で防御率2.27を記録したが、メジャーリーグでは10月にロング・リリーフとして1試合に登板し、6イニングを投げて5失点(自責点5)に終わった。今オフ、レイは福岡ソフトバンクに再び入団した。メジャーリーグに昇格した経緯については「壁パンチで勝利の方程式が崩れる。球団初のワールドシリーズ優勝に暗雲!?」で書いた。

 ハイネマンは、レイと順序が逆。シンシナティ・レッズと読売でプレーした。レッズでは、19試合で30打数3安打、2本塁打。読売では、10試合で25打数4安打、ホームランはなかった。

 なお、2021年に2チーム以上でメジャーリーグの試合に出場した選手は、三桁を数える。マイケル・フェリーズのように、4チームで投げた投手もいる。21登板の内訳は、ピッツバーグ・パイレーツで7登板、レッズで9登板、ボストン・レッドソックスで4登板、オークランド・アスレティックスで1登板。今オフ、フェリーズはレッドソックスとマイナーリーグ契約を交わした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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