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今年の東京ヤクルトは、歴代の日本シリーズ優勝球団のなかで「前年の勝率」が最も低かった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
2020年の東京ヤクルトは勝率.400未満 June 19, 2020(写真:アフロ)

 今年の日本シリーズで優勝した東京ヤクルト・スワローズは、前年のリーグ最下位から頂点に立っただけではない。2020年の勝率は.373(41勝69敗10分)。これは、1951~2021年の日本シリーズで優勝した71球団のなかで、最も低い前年勝率だ。1960年に優勝した大洋ホエールズの前年勝率.392(49勝77敗4分)を下回る。ちなみに、初代の王者、1950年に優勝の毎日オリオンズは、この年が球団1年目なので、前年はない。

 日本シリーズ優勝の前年勝率が.500以下だった球団は、以下のとおり。シーズン負け越しの翌年に日本シリーズを制したのは、今年の東京ヤクルトが10度目だ。そのうちの4度は、ヤクルト/東京ヤクルトが占める。

筆者作成
筆者作成

 今年の日本シリーズの場合、東京ヤクルトではなく、オリックス・バファローズが優勝しても、ここに名を連ねていた。2020年のオリックスの勝率は、東京ヤクルトよりは高いものの、こちらも.398(45勝68敗7分)と低かった。前年最下位の球団同士による日本シリーズのみならず、前年勝率.400未満の両球団が対戦したのも、史上初。1960年に大洋が4勝0敗で下した毎日大映オリオンズは、前年勝率が.631(82勝48敗6分)だった。

 前年勝率.500未満の2球団が顔を合わせた日本シリーズは、今年の前にも2度ある。1997年のヤクルトと西武ライオンズは、それぞれの前年勝率が.469(61勝69敗0分)と.492(62勝64敗4分)。2001年のヤクルトと大阪近鉄バファローズは、前年勝率が.489(66勝69敗1分)と.436(58勝75敗2分)だ。1997年も2001年も、ヤクルトが4勝1敗で優勝した。○●○○○も共通する。

 今年のリーグ勝率ワースト2は、セ・リーグが横浜DeNAベイスターズの.425と中日ドラゴンズの.437、パ・リーグは埼玉西武の.440と北海道日本ハム・ファイターズの.447だ。これらの球団が、来年の日本シリーズで対戦すれば、前年勝率.450未満の球団同士としては、今年に続く2度目となる。

 日本シリーズ優勝から、次の日本シリーズ優勝までのブランクの長さについては、こちらに書いた。

「東京ヤクルトの「20年ぶり日本シリーズ優勝」は歴代何番目に長いブランクを終わらせた!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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