今オフ最初の大型契約は5年7700万ドル。シーズン防御率は4.74と高く、通算防御率も4点台だが…
エデュアルド・ロドリゲスが、デトロイト・タイガースから5年7700万ドル以上の契約を得るらしい。ESPNのジェフ・パッサン、MLBネットワークのジョン・ヘイマン、ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールらが、一斉に報じている。
今オフにFAとなるまで、ロドリゲスは、ボストン・レッドソックスで先発投手として投げてきた。今シーズンは、157.2イニングを投げて防御率4.74。昨シーズンは、新型コロナウイルス(前年の夏に感染)の後遺症と見られる心筋症により、全休している。通算6シーズンの防御率は4.16だ。どのシーズンも100イニング以上を投げているが、規定投球回に達したのは、2019年(203.1イニング)だけ。防御率3.80未満のシーズンはない。
こうしたことからすると、5年7700万ドルは高いような気もする。ロドリゲスは、契約を2年でオプト・アウトする――自ら打ち切ってFAになる――ことができる上、トレード拒否権とパフォーマンス・ボーナス(出来高)もついているという。
ただ、ロドリゲスは、今オフのFA市場に出ている先発投手のなかで、ほとんど実績のない投手を除くと、最も若い。来年4月に29歳の誕生日を迎える。
奪三振率は高く、今シーズンの10.56は、150イニング以上の55投手中、10位に位置する。与四球率も2.68(36位)なので、順位はともかく、数値は悪くない。
その一方で、BABIP.363は最も高かった。それに次ぐのはネイサン・イオバルディ(レッドソックス)の.326なので、ロドリゲスの数値は突出している。BABIPをごく簡単に説明すると、ホームラン以外の打球がヒットになった割合だ。数値が異常に高い投手の場合、それだけではないが、運が悪かったと看做すこともできる。あるいは、後ろを守る野手の守備範囲が狭かった、などだ。ちなみに、ロドリゲスとイオバルディが「上位」に並んだことから想像がつくかもしれないが、レッドソックスの投手全体のBABIP.323も、両リーグで最も高かった。
また、ロドリゲスの防御率は4.74ながら、FIPは3.32だった。それぞれの順位は、48位(ワースト8位)と13位だ。FIPは、こちらもざっくり説明すると、守備の要素を除き、奪三振と与四球と被本塁打から算出した防御率だ。
少し小難しいスタッツを並べてしまったが、ロドリゲスは、これから、今シーズンよりも好成績を残す可能性が大いにある、ということだ。タイガースは、そう判断したのだろう。タイガースだけではない。契約合意のニュースが出る前に、MLBネットワークのジョン・モロシが発したツイートによると、トロント・ブルージェイズとロサンゼルス・エンジェルスも、ロドリゲスに興味を示していたという。
今月上旬に「イグレシアスはエンジェルスからのクオリファイング・オファーを受け入れるのか。今オフのQOは14人」で書いたとおり、レッドソックスは、ロドリゲスにクオリファイング・オファーを申し出ている。