今オフにFAとなった選手のうち、14人は、それまで在籍していた球団からクオリファイング・オファー(QO)を申し出られた。今オフの金額は1840万ドルだ。彼らは11月17日までに、QOを受け入れるか却下するかを決める。却下しても、その球団との再契約は可能だ。QOは1年契約なので、受け入れた選手は、来シーズンが終わるまでに延長契約を交わさない限り、来オフに再びFAとなる。

筆者作成
筆者作成

 QOを申し出られたリリーフ投手は、ロサンゼルス・エンジェルスでクローザーを務めていた、ライセル・イグレシアスだけだ。エンジェルスがQOを申し出たのも、イグレシアスしかいない。イグレシアスがQOを受け入れず、来年のドラフトまでに別の球団と契約した場合、エンジェルスはその補償として、ドラフト2巡目と3巡目の間に指名権を一つ得る。

 2017年以降にイグレシアスが記録した284登板は、このスパンの15位、救援308.0イニングは5位、防御率2.86は救援200イニング以上の80人中9位に位置する。134セーブは3位だ。ここ5年のシーズン防御率は、2019年こそ4.16ながら、他はいずれも2.75未満。セーブ成功率が85%を下回ったシーズンは、短縮シーズンの2020年(80.0%)しかない。

 また、奪三振率は3年続けて前年より上がり(10.00→11.96→12.13→13.24)、与四球率は4年続けて前年より下がっている(3.20→3.13→2.82→1.96→1.54)。今シーズンの奪三振率13.24と与四球率1.54は、どちらも救援50イニング以上の138人中8位。K/BB8.58は2位に位置した。

 おそらく、イグレシアスはQOを却下するだろう。イグレシアスと同じリリーフ投手のリーアム・ヘンドリクスは、昨オフにFAとなり、シカゴ・ホワイトソックスと3年5400万ドルの契約を交わした。ヘンドリクスは1989年2月生まれ、イグレシアスは1990年1月生まれなので、それぞれがFAになった時点の年齢は同じだ。イグレシアスとしては、ヘンドリクスと同等か、そこまでいかずとも、3年4500万ドル前後の契約を得たいと考えているのではないだろうか。年平均額は1840万ドルを下回っても、複数年の契約を望むはずだ。

 なお、エンジェルスは、クローザーを必要としている――マイク・マイヤーズスティーブ・シーシェックでは心許ない――が、必ずしもイグレシアスでなくてもいい。今シーズンに25セーブ以上を挙げ、FA市場に出ている投手は、イグレシアスだけではない。マーク・マランソンケンリー・ジャンセンイアン・ケネディの3人がそうだ。25セーブ未満であれば、ケンドール・グレイブマンコリー・クネイブルをはじめ、その人数はさらに増える。

 他には、FAではないものの、クレイグ・キンブレル(シカゴ・ホワイトソックス)やジョシュ・ヘイダー(ミルウォーキー・ブルワーズ)も、トレードで動く可能性がありそうだ。