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ポストシーズンの「1試合3本塁打」と「1勝3敗からカムバック」。今年は同じシリーズで両方が起きる!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
フレディ・フリーマン(左)とクリス・テイラー Oct 21, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第5戦に、クリス・テイラー(ロサンゼルス・ドジャース)は3本のホームランを打った。ドジャースは11対2で勝利を収め、シリーズを2勝3敗とした。

 ポストシーズンの1試合3本塁打は、ナ・リーグとア・リーグの球史において、テイラーが延べ12人目だ。1人目と2人目はベーブ・ルース。1926年と1928年のどちらも、相手はセントルイス・カーディナルスだった。

筆者作成
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 彼らのうち、今年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズに出場している選手は、テイラーを含め、4人を数える。アルバート・プーホルスはドジャース、ホゼ・アルトゥーベはヒューストン・アストロズ、キーケー・ヘルナンデスはボストン・レッドソックスにいる。4年前にキーケーが3本塁打を記録した試合には、テイラーも出場していた。

 一方、ドジャースは、ここから第6戦と第7戦も勝つと、昨年と同じく、1勝3敗からリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを制することになる。相手がアトランタ・ブレーブスであることだけでなく、ここまでの白星と黒星も、昨年とまったく同じだ。それについては「歴史は繰り返す!? ブレーブスがドジャースに2勝0敗は昨年とまったく同じ。そのなかで最大の違いは…」「ブレーブスの「ドジャース相手に〇〇●〇でリーグ優勝に王手」は昨年とまったく同じ。1年前はここから…」で書いてきた。

 先に4勝を挙げたチームが勝者となる「ベスト・オブ・セブン」のシリーズにおける、1勝3敗からのカムバックは、これまでに延べ14チームが記録している。2004年のレッドソックスは、0勝3敗から4連勝だが、最初の4試合は●●●○の1勝3敗だった。

筆者作成
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 2012年のサンフランシスコ・ジャイアンツは、1勝3敗からのカムバックに続き、ワールドシリーズの第1戦にパブロ・サンドバルが3本のホームランを打った。今年のドジャースの場合、1試合3本塁打と1勝3敗からのカムバックが、同じシリーズで起きる可能性もある。

 第6戦の先発マウンドには、マックス・シャーザーが上がる。対するブレーブスの先発投手は、イアン・アンダーソンの予定だ。そこでドジャースが勝てば、第7戦は、ウォーカー・ビューラーチャーリー・モートンの投げ合いだろう。ただ、ドジャースは第6戦に負けると、敗退となる。デーブ・ロバーツ監督は、第6戦にリリーフとしてビューラーを起用するかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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