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歴史は繰り返す!? ブレーブスがドジャースに2勝0敗は昨年とまったく同じ。そのなかで最大の違いは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョク・ピーダーソン(アトランタ・ブレーブス)Oct 17, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アトランタ・ブレーブスは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第1戦と第2戦に、2試合続けてサヨナラ勝ちを収めた。ここまでの2勝0敗は、昨年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズと同じだ。顔合わせも、変わっていない。ブレーブスとロサンゼルス・ドジャースは、1年前にも、このシリーズで対戦した。

 ここからの白星と黒星も、昨年と同じであれば、ワールドシリーズにはドジャースが進む。ブレーブスの昨年のシリーズ勝敗は、○○●○●●●だった。いずれも、その試合に勝てばリーグ優勝=ワールドシリーズ進出となる第5戦~第7戦に、3連敗を喫した。

 監督は今年も同じ、ブレーブスがブライアン・スニッカー、ドジャースはデーブ・ロバーツだ。また、昨年も今年も、両チームはともにウィル・スミスを擁する。ブレーブスのスミスはリリーフ投手、ドジャースのスミスは捕手だ。

 だが、それぞれのメンバーは、まったく同じというわけではない。球場も異なる。今年は、第1戦と第2戦(と第6戦と第7戦)がブレーブスの本拠地、第3戦と第4戦(と第5戦)はドジャースの本拠地だ。昨年のシリーズは、テキサス・レンジャーズの本拠地で行われ、最初の2試合と最後の2試合がドジャース、その間の3試合がブレーブスのホーム・ゲーム(後攻)とされた。ちなみに、7試合ともサヨナラ・ゲームではなかった。

 なかには、昨年も今年もこのシリーズに出場しているものの、チームが違う選手もいる。ジョク・ピーダーソンがそうだ。昨年のワールドシリーズ優勝後に、ドジャースからFAとなり、1月下旬に1年700万ドルでシカゴ・カブスと契約。7月半ばのトレードにより、カブスからブレーブスへ移った。

 ピーダーソンは、昨年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズで、18打数7安打(打率.389)、1本塁打、3打点を記録した。続くワールドシリーズは、10打数4安打(打率.400)、1本塁打、3打点。今年のディビジョン・シリーズは、7打数3安打(打率.429)、2本塁打、5打点だ。今年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズでは、第2戦にマックス・シャーザーから同点2ラン本塁打を打っている。

「ミスター・オクトーバー」ならぬ「ジョクトーバー」が、昨年とは違う結末にブレーブスを導き、自身は2年続けてワールドシリーズに出場するかもしれない。

 昨年も今年もドジャースにいる選手を除くと、現時点で2年連続ワールドシリーズ出場の可能性があるのは、ピーダーソンとキーケー・ヘルナンデス(ボストン・レッドソックス)だけだ(「2年連続ワールドシリーズ優勝」の可能性があるのはドジャース以外に何人!? ドジャースは連覇に黄信号」)。

 なお、昨年の第5戦に、スミスはスミスからホームランを打った。今年の第2戦に、スミスはスミスを三振に仕留めている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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