ダルビッシュ有と秋山翔吾。2人のうち、ポストシーズンに出場できるのは1人だけ
ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)と秋山翔吾(シンシナティ・レッズ)は、前年に続き、今年もポストシーズンでプレーする可能性がある。ただし、2人のどちらも出場ということは、まずない。
9月10日を終え、パドレスはナ・リーグ西地区の3位、レッズはナ・リーグ中地区の2位に位置する。両チームとも、地区1位には12ゲーム以上の差をつけられているので、地区優勝は無理だろう。一方、ワイルドカード・レースの順位は、2位と3位。勝率がわずかに違うだけで、両チームのゲーム差はゼロだ。
ナ・リーグで、ワイルドカードとしてポストシーズンに進出する2チーム中、1チームはほぼ確定している。西地区のサンフランシスコ・ジャイアンツとロサンゼルス・ドジャースのうち、一方が地区優勝、もう一方はワイルドカードを手にするはずだ。現時点で地区2位、ワイルドカード・レース1位のドジャースは、パドレスとレッズに14ゲーム差をつけている。
残るワイルドカードは1チーム。パドレスがそうなれば、レッズはポストシーズンには進めない。逆の場合も同様だ。
もちろん、パドレスとレッズが揃ってポストシーズン進出を逃すこともあり得る。セントルイス・カーディナルス、フィラデルフィア・フィリーズ、ニューヨーク・メッツの3チームは、ワイルドカード・レースでパドレスとレッズまで4ゲーム差以内の位置にいる。
また、ワイルドカードの2チームがディビジョン・シリーズへ進むには、その前にワイルドカード・ゲームで勝つ必要がある。この試合に負けたチームは、そこで敗退となる。1試合でポストシーズンを終え、オフを迎える。
パドレスがワイルドカードを手にしても、ダルビッシュがワイルドカード・ゲームで登板するかどうかはわからない。パドレスの先発投手陣にはブレイク・スネルやジョー・マスグローブもいるし、そもそも、ポストシーズン進出が決まっていない状況において、ワイルドカード・ゲームに合わせてローテーションの順序を入れ替える余裕はない。
秋山はレギュラーではないので、出場しないまま、レッズが敗れ去ってもおかしくない。一例を挙げると、7年前のアダム・ダンがそうだ。この年の夏、ダンはシカゴ・ホワイトソックスからオークランド・アスレティックスへ移り、アスレティックスはワイルカード・ゲームでカンザスシティ・ロイヤルズと対戦した。ダンはロースターに入っていたものの、試合には起用されず、アスレティックスは12回裏にサヨナラ負けを喫した。その直後に、ダンは引退を表明した。メジャーリーグでプレーした14シーズン中、在籍していたチームがポストシーズンへ進んだのは、この年だけだった。
ダルビッシュと秋山以外の日本人選手では、ア・リーグのチームで投げている2人、澤村拓一(ボストン・レッドソックス)と菊池雄星(シアトル・マリナーズ)が、今年のポストシーズンに出場するかもしれない。ただ、レッドソックスもマリナーズも地区優勝はなさそう。レッドソックスはワイルドカード・レースのトップにいるが、3位との差は1.5ゲームに過ぎず、チームには新型コロナウイルスの感染者が続出している。マリナーズはワイルドカード・レースの4位タイ。2位と1ゲーム差に位置する。
日本人選手が一人もポストシーズンに出場しなかったのは、今から11年前の2010年が最後だ。2015年以降の出場は、以下のとおり。
2014年以前の出場については、こちらで書いた。
●「日本人メジャーリーガーのポストシーズン出場その1:1995~2004/初出場は野茂、野手初はイチロー」