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ほんの数日前までチームメイトだった3人が、トレード後、最初に出場した試合でいずれもホームランを打つ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ハビア・バイエズ(ニューヨーク・メッツ)Jul 31, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 シカゴ・カブスからニューヨーク・ヤンキースへ移籍したアンソニー・リゾーは、ヤンキースの選手としては初出場となる試合で、3打席目にホームランを打った。7月30日のことだ。

 カブスからニューヨーク・メッツへ移籍したハビア・バイエズは、メッツの選手としては初出場となる試合で、3打席目にホームランを打った(写真)。7月31日のことだ。

 カブスからサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍したクリス・ブライアントは、ジャイアンツの選手としては初出場となる試合で、2打席目にホームランを打った。8月1日のことだ。

 スタッツ社によると、1900年あるいは1901年以降の「モダン・エラ」において、そのシーズンにチームメイトだったトリオが、それぞれ、違うチームへ移った最初の試合でホームランを記録するのは、初めてだという。

 このトリビアは、移籍後、最初に先発出場した試合、とすると、トリオではなくカルテットになる。ジョク・ピーダーソンは、3人に先駆け、カブスからアトランタ・ブレーブスへ移籍した。7月16日のブレーブス初出場は、代打として起用されて遊撃ゴロに終わったが、その翌日、「1番・ライト」としてスターティング・ラインナップに名を連ね、3打席目にホームランを打った。

筆者作成
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 また、この夏の移籍後、最初の試合でホームランを記録した選手は、前カブスの3人以外にもいる。上のリストに掲載した、シーズン30本塁打以上の実績を持つ選手では、ネルソン・クルーズ(ミネソタ・ツインズ→タンパベイ・レイズ)とエデュアルド・エスコバー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス→ミルウォーキー・ブルワーズ)がそう。他にも、エイブラハム・トロ(ヒューストン・アストロズ→シアトル・マリナーズ)とヤン・ゴームズ(ワシントン・ナショナルズ→オークランド・アスレティックス)が、移籍直後の試合でホームランを打っている。

 さらに、人数は増えるかもしれない。カイル・シュワーバー(ナショナルズ→ボストン・レッドソックス)やエディ・ロザリオ(クリーブランド・インディアンズ→ブレーブス)のように、移籍したものの、新たなチームではまだ試合に出場していない選手もいる。ちなみに、シュワーバーも、昨シーズンまではカブスにいて、リゾー、バイエズ、ブライアントの3人とチームメイトだった。

 この夏、カブスとナショナルズが数多くの主力選手を放出した経緯については、こちらで書いた。

主力を大量放出の「ファイヤー・セール」を敢行した2チームは、5年前と2年前のワールドチャンピオン

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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