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ゲレーロJr.が通算50本塁打に到達。ペースを殿堂選手の父と比べると…。シーズン本塁打は大谷に2本差

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)Jun 26,2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月26日、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は、3回裏に3試合連続となるホームランを打ち、シーズン26本塁打として、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)との差を2本に広げた。この2人は、ア・リーグのトップ2。ナ・リーグのトップは、25本塁打のフェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)だ。

 また、このホームランにより、ゲレーロJr.は通算50本塁打に到達した。今シーズンは、メジャーリーグ3年目。2019年に15本塁打、2020年に9本塁打を記録している。

 258試合&955打数目の到達は、同名の父よりもわずかに遅い。通算449本塁打のブラディミール・ゲレーロが50本目のホームランを打ったのは、同じくメジャーリーグ3年目の1998年9月15日。こちらは、248試合&935打数目だった。ただ、この年はそこからホームランが出ず、通算51本塁打としたのは翌年の開幕戦、259試合&976打数目なので、258試合の時点で50本塁打は、親子とも同じだ。

 ちなみに、大谷とタティースJr.も、今シーズン、通算50本塁打に達している。それぞれの到達日は、4月9日と5月21日。大谷は262試合&891打数目、タティースJr.は171試合&660打数目だ。大谷のペースについては、到達時に「大谷翔平の50本塁打は「日本人選手の最速」にとどまらず、他の選手と比べても速い!?」で書いた。

 なお、ゲレーロが1998年に記録した38本塁打――シーズン最後のホームランが通算50本目――は、ナ・リーグ6位タイ。この年を含め、シーズン30本塁打以上は8度を数え、1999年は42本、2000年は44本、2002年と2004年は39本のホームランを打ったものの、本塁打王どころか、リーグ・トップ3にランクインしたこともなかった。当時は、ステロイド時代の真っ只中だった。

 ゲレーロは、首位打者、打点王、盗塁王も獲得しておらず、リーグ・トップのOPSを記録したシーズンもないが、2004年にア・リーグMVPを受賞している。この年は、移籍1年目。2003年のオフにモントリオール・エクスポズからFAとなり、アナハイム・エンジェルスと5年7000万ドルの契約を交わした。

 殿堂入りは2018年。2度目の投票で、得票率92.9%を記録した。最初の投票でも317票を得ており、あと15票多ければ、得票率は75%に達していた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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