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対戦中の相手からトレードで一塁手を獲得する。観ていて欲しくなったからではなく…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ギャレット・クーパー Apr 20, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月27日、ボストン・レッドソックスは、金銭トレードにより、シカゴ・カブスからギャレット・クーパーを獲得した。

 その前日から、レッドソックスとカブスは、フェンウェイ・パークで試合を行っている。4月26日~27日に続き、28日も対戦する。

 ただ、クーパーは、三塁側のダグアウトから一塁側のダグアウトへ移ったわけではない。トレードの4日前に、カブスからDFAとされた。

 ちなみに、102年前には、ダブルヘッダーの1試合目と2試合目の間にチームを入れ替わった選手もいる。1922年5月30日に、クリフ・ヒースコートがセントルイス・カーディナルスからカブスへ移籍し、マックス・フラックはカブスからカーディナルスへ移った。ヒースコートもフラックも、トレードを挟み、この日の2試合とも、外野手としてスターティング・ラインナップに名を連ねた。

 現在、レッドソックスでは、トリスタン・カーサスが左の脇腹を痛め、4月21日から故障者リストに入っている。27日に、10日間のリストから60日間のリストへ移ったので、復帰は、早くても6月下旬ということになる。

 カーサスの離脱後、4月21日はパブロ・レイエス――22日は試合がなく――23日以降はボビー・ダルベックが、一塁手として先発出場している。彼らのスタッツは、一塁以外の出場も含め、レイエスが打率.183(60打数11安打)と出塁率.234、ダルベックは打率.128(47打数6安打)と出塁率.180。ホームランはなく、どちらも、長打は二塁打が2本だ。

 今シーズン、クーパーは、打率.270(37打数10安打)と出塁率.341。ホームランと三塁打と二塁打を、1本ずつ打っている。2021年に250打席で出塁率.380、2022年は33二塁打、2023年は17本塁打の「実績」もあり、レッドソックスは、カーサスが戻ってくるまで、クーパーを一塁手として起用するつもりだと思われる。

 一方、カブスでは、オフにロサンゼルス・ドジャースから移籍したマイケル・ブッシュが、一塁を守り、打率.287(87打数25安打)と出塁率.343、6本塁打と4二塁打を記録している。控えの一塁手は、クーパーがDFAになったのと同じタイミングでAAAから昇格した、マット・マービスだ。

 ブッシュとマービスは、2人とも、今シーズンがメジャーリーグ2年目。彼らは、26歳、左打者、昨シーズンのメジャーリーグ出場が27試合、今シーズンも新人王資格あり、という点も共通する。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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