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5打席続けて三振でも、6打席目にホームランを打てば…。1試合5三振&1本塁打は5人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・トークマン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)Jun 8, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月23日、マイク・トークマン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)は、1打席目から5打席目まで、いずれも三振を喫した。最初の2三振は、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)に仕留められたものだ。けれども、トークマンは6打席目にホームランを打った。場面は、13回表の2死一、二塁。その前に4点を挙げ、この時点で6対2としていたジャイアンツは、トークマンの3ラン本塁打により、リードを7点に広げた。試合は、9対3で終わった。

 ベースボール・リファレンスによると、1901年以降、1試合に5三振&1本塁打を記録したのは、トークマンが5人目だという。その前の4人は、1998年8月8日のレイ・ランクフォード、2000年6月9日のサミー・ソーサ、2017年7月30日のブライアン・ドージャー、2019年9月24日のデクスター・ファウラー(現エンジェルス)だ。

 終わりよければ…という点からすると、ランクフォードはトークマンを上回る。トークマンと同じく、最初の5打席は三振ながら、そこから一転し、ホームランとシングル・ヒットを打った。それぞれの場面は、2点を追う11回裏の2死一塁と、同点で迎えた13回裏の無死満塁。アウトなら試合が終わる打席の同点本塁打と、試合を終わらせたサヨナラ・ヒットだ。

 他の3人は、そうはいかなかった。ソーサは4三振を喫した後、9回表の5打席目にこちらも2ラン本塁打を打って同点としたが、6打席目は三振。試合には敗れた。ともに1番打者として出場したドージャーとファウラーは、先頭打者本塁打を打ち、そこから5三振を喫した。ファウラーは他にアウト2つと四球を記録したが、ドージャーは5打席連続だ。この2人の試合も、サヨナラ負けで終わった。

 先月、「ヤンキースはこの選手を手放すべきではなかった!? 新天地でいきなり4打数3安打」で書いたとおり、トークマンは4月下旬にニューヨーク・ヤンキースからジャイアンツへ移った。移籍前は打率.214(14打数3安打)&0本塁打、移籍後は打率.169(136打数23安打)&4本塁打だ。5月28日は、9回裏にアルバート・プーホルス(ロサンゼルス・ドジャース)のサヨナラ本塁打となる打球をもぎ捕り、6月8日は、2点ビハインドの8回表に満塁本塁打を打つ(上の写真)など、成績以上に印象的なプレーが目につく。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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