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大谷翔平の100年以上前に「シーズン9盗塁&60奪三振」以上のニクシー・キャラハンって誰!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(左)とニッキー・ロペス Jun 7, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月7日、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、2回裏に二盗を決め、今シーズンの盗塁を9とした(写真はその直後)。

 MLB.comのサラ・ラングスによると、モダン・エラ(1900年以降)において、1シーズンに9盗塁以上と60奪三振以上を記録したのは、3年前の大谷(10盗塁&63奪三振)と今シーズンの大谷(9盗塁&60奪三振)以外には、1901年にシカゴ・ホワイトソックスでプレーしたニクシー・キャラハン(10盗塁&70奪三振)しかいないという。

 大谷の二刀流の記録には、大昔の選手が登場する。最もよく引き合いに出されるのは、ベーブ・ルースだろう。他にも、4月に「打順1~4番でホームランを打った先発投手」は、ベーブ・ルースと大谷翔平と…日本でも知られるあの選手」で紹介したような例もある。

 今日、ハリー・キャラハンを知っている人はいても、ニクシー・キャラハンを知っているという人は、ほとんどいないのではないだろうか。ちなみに、ハリー・キャラハンはベースボール・プレーヤーではない。クリント・イーストウッドが演じる「ダーティ・ハリー」だ。

 キャラハンの通算成績は、901安打、11本塁打、打率.273、186盗塁。99勝73敗、防御率3.39だ。タイトルは獲得しておらず、その当時はよく知られた選手だったのだろうが、殿堂には入っていない。監督も務めたが、リーグ優勝は皆無だ。

 ただ、キャラハンは、1902年9月20日にノーヒッターを達成している。これは、ア・リーグ史上初のノーヒッターだ(1901年6月30日のピート・ダウリングを最初とする説もある)。

 また、1913年10月から翌年3月にかけて、ホワイトソックスとニューヨーク・ジャイアンツがワールド・ツアーを行い、日本を含む各国を訪れた際には、キャラハンもそこにいたらしい。プレーしたのかどうかは、定かではない。1913年は監督と選手の兼任ながら、出場は野手として6試合のみ。翌年は監督に専念した。

 なお、大谷がここから、あと2盗塁を決めて11三振を奪うと、シーズン全体では11盗塁&71奪三振となり、どちらも1901年のキャラハンを上回る。

 

 オールスター・ゲームのファン投票で、大谷に票を投じる方法については、こちらで書いた。

大谷翔平に投票するにはどうすればいいの? オールスター・ゲームのファン投票。英語が苦手な人のために

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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