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パ6球団の「開幕投手」と対戦相手との「相性」。二木は福岡SBに7連勝中、山本は埼玉西武に防御率0点台

宇根夏樹ベースボール・ライター
涌井秀章 February 26, 2013(写真:アフロスポーツ)

 パ・リーグ6球団の開幕投手が、出揃った。それぞれの開幕戦で、石川柊太(福岡ソフトバンクホークス)と二木康太(千葉ロッテマリーンズ)、髙橋光成(埼玉西武ライオンズ)と山本由伸(オリックス・バファローズ)、涌井秀章(東北楽天ゴールデンイーグルス)と上沢直之(北海道日本ハムファイターズ)が投げ合う。涌井が開幕投手を務めるのは3年ぶり10度目、上沢は2年ぶり2度目。他の4人は、初の開幕投手となる。

筆者作成
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 二木が福岡ソフトバンクに黒星を喫したのは、2018年10月7日が最後だ。2019~20年は10試合に先発して7勝0敗(千葉ロッテは8勝2敗)。さらに、今シーズンの開幕戦が行われる福岡PayPayドーム(現名称)に限れば、最後の黒星は2017年8月27日まで遡る。同年9月26日以降の8登板は、こちらも7勝0敗(千葉ロッテは7勝1敗)。2018年9月30日以降の6登板は、すべて白星を挙げている。

 今シーズンの開幕戦で投げる相手に対し、防御率0点台の投手もいる。過去2シーズン、山本は埼玉西武と対戦した7試合で、いずれも7イニング以上を投げ、自責点0が4試合、自責点1が2試合、自責点2が1試合。計53.1イニングで自責点4なので、防御率は0.68となる。オリックスはこの7試合で4勝3敗だが、山本自身は4勝1敗。山本に黒星がついた2020年9月8日のスコアは、0対2だった。リリーフとして投げた2018年を含めても、対埼玉西武の通算防御率は0.97だ。

 過去2シーズンの山本は、対北海道日本ハムが防御率1.93、対東北楽天が防御率2.00、対福岡ソフトバンクが防御率2.35、対千葉ロッテが防御率2.83。どの球団に対しても防御率2.85未満だが、対埼玉西武の防御率は、そのなかでも群を抜いて低い。ちなみに、山本とチームメイトの山岡泰輔は、埼玉西武に対し、過去2シーズンの6先発で防御率5.14。もっとも、昨シーズンの2登板(1勝1敗)は、どちらも6イニングで自責点2だった。

 また、昨シーズンに限ると、上沢は対東北楽天の3登板とも白星を挙げている。その防御率は0点台だ。いずれも、6イニング以上を投げて自責点は1以下。昨シーズンの他4球団との対戦は、対オリックスが防御率1.29だが、これは1登板のみ。対埼玉西武(4登板)、対福岡ソフトバンク(3登板)、対千葉ロッテ(4登板)の防御率はほとんど同じ。それぞれ、4.01、4.00、3.96だ。

 なお、2年前の開幕戦で、上沢はオリックスに対して投げた。6イニングで3点を取られ、2点ビハインドのまま降板したが、北海道日本ハムは8回裏に追いつき、10回裏に中田翔のサヨナラ・グランドスラムで試合を終わらせた。

 涌井が開幕戦で北海道日本ハムと対戦するのは、埼玉西武時代の2011年と2012年、千葉ロッテ時代の2016年に続き、今シーズンが4度目となる。過去の3登板は、白星(8イニングで自責点3)、黒星(4イニングで自責点5)、白星(7イニングで自責点0)だ。他の開幕戦は、対千葉ロッテと対福岡ソフトバンクが2度ずつ、対オリックスと対東北楽天は1度ずつ。埼玉西武に対し、開幕戦で投げたことはない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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