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近本光司が盗塁王を獲得すると…。「2年続けて盗塁王」は多いが「一軍デビューから2年連続」は!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
赤星憲広 AUGUST 14, 2000(写真:築田純/アフロスポーツ)

 昨シーズン、近本光司(阪神タイガース)は36盗塁を記録し、一軍1年目にして盗塁王を獲得した。今シーズン、近本はここまで、セ・リーグ最多の18盗塁を記録している(9月17日時点)。

 2年以上続けて盗塁王を獲得した選手は、13年連続(1970~82年)の福本豊を筆頭に、26人を数える。盗塁王6度の柴田勲は、2年連続が2度(1966~67年と1977~78年)だ。2010年以降に限っても、本多雄一(2010~11年)、山田哲人(2015~16年/東京ヤクルトスワローズ)、西川遥輝(2017~18年/北海道日本ハムファイターズ)の3人が、続けてタイトルを手にしている。

 ただ、一軍1年目からの連続となると、その人数は激減する。1946年から3年連続の河西俊雄と、2001年から5年連続の赤星憲広だけだ。そもそも、一軍1年目の盗塁王は、この2人と近本の他に、1953年のラリー・レインズと2011年の藤村大介、そして、1936年の春にデビューして秋のシーズンに盗塁王となった苅田久徳しかいない。

 惜しかったのは、1997年にデビューした小坂誠だ。この年、小坂は千葉ロッテマリーンズで56盗塁を記録したが、同じパ・リーグの西武ライオンズに62盗塁の松井稼頭央がいた。翌年、小坂は43盗塁で松井とタイトルを分け合った。その後、3年目は31盗塁で松井と1盗塁差の2位、4年目は33盗塁で2度目の盗塁王、5年目は32盗塁で井口資仁(44盗塁)に次ぐ2位。一軍1年目から、小坂は5年続けてリーグ・トップ2にランクインした。

 ちなみに、阪神の盗塁王は、2005年の赤星を最後に、昨シーズンの近本まで途絶えていた。

 なお、現在、近本と3盗塁差の増田大輝(読売ジャイアンツ)については、こちらで書いた。

増田大輝が盗塁王を獲得すると…。「登板したことのある盗塁王」は8人いるが「登板した年に盗塁王」は!?

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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