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最も「オープナー」を必要とする先発投手!? ここ5試合で3度、先頭打者から2者連続の被本塁打

宇根夏樹ベースボール・ライター
マシュー・ボイド(デトロイト・タイガース)Sep 4, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、マシュー・ボイド(デトロイト・タイガース)は、いずれも先発投手として、8試合に登板している。防御率6.64は両リーグで最も高く(40イニング以上)、被本塁打11本は4番目に多い。

 自責点30のうち、ボイドは3分の1近い9点を初回に取られている。初回に喫したホームランは6本。全体の過半数を占める。しかも、先頭打者から2者連続が3試合だ。8月12日はシカゴ・ホワイトソックスのティム・アンダーソンイーロイ・ヒメネス、8月17日はアンダーソンとヨアン・モンカーダ、9月4日はミネソタ・ツインズのホルヘ・ポランコジョシュ・ドーナルソンに打たれた。ここ5試合中3試合ということになる。最初の2試合については、「悪夢のデジャブ。前回も今回も、立ち上がりから2本続けてホームランを打たれる。相手は同じチーム」でも紹介した。

 効果があるかどうかはわからないが、ロン・ガーデンハイヤー監督は、ボイドの前に「オープナー」を起用すべきかもしれない。9月4日の試合で、ボイドはその後の5イニングを被安打1本の無失点に封じた(試合は0対2のまま終わり、ボイドは5敗目)。ちなみに、この試合が行われたターゲット・フィールドのホーム後方には、ガーデンハイヤーの「デカ顔(ビッグ・ヘッド)」も置いてある(こちらについては、「ミネソタの観客席に並ぶレジェンドの「デカ顔」。そこには、元・広島東洋、読売、横浜のあの選手たちも」で書いた)。2002年から2014年まで、ガーデンハイヤーはツインズで采配を振った。この13シーズン中、ツインズの地区優勝は6度を数える。

 ボイドの次の登板は、9月9日のミルウォーキー・ブルワーズ戦となる予定だ。ここ数試合、ブルワーズではベン・ギャメルケストン・ヒウラが、1・2番コンビを組んでいる。今シーズン、ヒウラのホームランは11本だが、ギャメルは3本に過ぎない。ただ、ボイドとギャメルが左対左ということを考えると、右打者がリードオフを務める可能性もある。これまでの打順からして候補となりそうな、ルイス・ウリーアスはシーズン0本、アビサイル・ガルシアも2本ながら、ガルシアは通算2本のホームランをボイドから打っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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