サイクルヒットの最多記録を更新するのは確実!? 26歳にして早くも達成2度
7月23日、トレイ・ターナー(ワシントン・ナショナルズ)が、キャリア2度目のサイクルヒットを達成した。打った順序は、本塁打、シングル、三塁打に、三塁ゴロ(併殺打)を挟んで、二塁打。2017年4月25日の6打席は、シングル、二塁打、センター・ライナー、本塁打、三塁打、遊撃ゴロだった。
多くのメディアは、ターナーの記録について、サイクルヒット2度以上は史上26人目と報じているが、これは1908年以降のレギュラーシーズンにおける人数だ。このなかに、ブロック・ホルト(ボストン・レッドソックス)は入っていない。昨年10月に「ポストシーズン史上初のサイクルヒット。達成した一打は、野手から打ったホームラン」で書いたように、ホルトはポストシーズンで2度目のサイクルヒットを達成した。また、1907年以前も含めると、2度以上の達成は(おそらく)33人となる。彼らのうち、ジョン・ライリー、ボブ・ミューゼル、ベーブ・ハーマン、エイドリアン・ベルトレーの4人は、サイクルヒットを3度ずつ記録した。
ターナーは、6月末に26歳の誕生日を迎えた。彼よりも若くして、サイクルヒットを2度達成した選手は4人だけ。1908年以降に限れば、ミューゼルとセイザー・セデーニョしかいない。
今年、日本プロ野球のオールスター・ゲームで起きた「作為」はさておき、サイクルヒット、特に三塁打には「偶然」の要素が少なくない。だが、ターナーは、過去3シーズンとも30盗塁&6三塁打以上を記録し、昨シーズンは盗塁王を獲得した。「偶然」に助けられなくてもサイクルヒットを達成できる、スピードスターだ。昨シーズンは19本のホームランを打ったように、パワーも皆無ではない。ベルトレーらに並ぶだけでなく、サイクルヒットの最多記録を塗り替えてもおかしくない。
ターナーの他にも、もう一人、最多記録の更新を期待できる選手がいる。昨シーズン、8月と9月にサイクルヒットを達成した、クリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)がそうだ。2度目の達成時の年齢は、ターナーより数ヵ月上ながら、現在でも27歳。パワーとスピードを兼ね備え、今シーズンは30-30に近づいていている。35本塁打と23盗塁は、どちらもリーグ1位だ。