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「1日に5本の先頭打者ホームラン」は史上初ではないが、「1日に5試合で先頭打者ホームラン」は初めて

宇根夏樹ベースボール・ライター
キーケー・ヘルナンデス(ロサンゼルス・ドジャース)Jun 25, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月25日は、5本の先頭打者ホームランが飛び出した。打ったのは、DJ・ラメイヒュー(ニューヨーク・ヤンキース)、スコット・キンガリー(フィラデルフィア・フィリーズ)、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)、キーケー・ヘルナンデス(ロサンゼルス・ドジャース)、トミー・ラステラ(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。スタッツ社のツイートによると、これは1日の最多タイ。2006年8月17日と2016年8月19日にも、起きているという。

 1度目は13年前、2度目は3年前だ。もしかすると、2度目と3度目に共通する選手がいるのでは――3度目の5人のうち、ラメイヒュー、キーケー、ラステラの3人は、2度目の時、すでにデビューしていた――と思って調べたところ、残念ながら、いずれも異なる選手だった。

筆者作成
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 ただ、今回と最初の2度には、大きな違いがあった。今回は5本とも別の試合だが、最初の2度は、同じ試合の1回表と1回裏に打ち合った2人が、2組ずついた。2006年8月17日は、先代のヤンキー・スタジアムでブライアン・ロバーツジョニー・デーモン、USセルラー・フィールド(現ギャランティードレイト・フィールド)でデビッド・デヘススパブロ・オズーナが記録。2016年8月19日は、カムデンヤーズでジョージ・スプリンガー(ヒューストン・アストロズ)とアダム・ジョーンズ(現アリゾナ・ダイヤモンドバックス)、クアーズ・フィールドでデクスター・ファウラー(現セントルイス・カーディナルス)とデビッド・ダール(コロラド・ロッキーズ)が打った。どの球場も、ダブルヘッダーではなかった。

 1度目と2度目の「1日に3試合(3球場)で計5本の先頭打者ホームラン」に対し、3度目の今回は「1日に5試合(5球場)で計5本の先頭打者ホームラン」となる。

 なお、この3度の合計である先頭打者ホームラン15本(5本×3日)のうち、ラステラがタイラー・マーリー(シンシナティ・レッズ)の投球を弾き返した一打だけは、フェンスを越えなかった。インターリーグの試合で先頭打者ランニング本塁打は、レギュラーシーズンに限れば、これが史上初。1903年のパッツィー・ドハティと2015年のアルシデス・エスコバー(現シカゴ・ホワイトソックス)も、リーグの異なるチームが対戦した試合で先頭打者ランニング本塁打を打っているが、どちらもワールドシリーズだ。

 また、ラメイヒューの先頭打者ホームランは、昨日、「メジャーリーグ新記録の「28試合連続ホームラン」に最も貢献したのは……」で書いたとおり。6月26日、ヤンキースはこのストリークを29試合に伸ばした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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