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3億ドルでマチャドを迎え入れ、パドレスは「契約総額の球団記録」を3年続けて更新

宇根夏樹ベースボール・ライター
エリック・ホズマー(左)とウィル・マイヤーズ Sep 3, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 サンディエゴ・パドレスが、マニー・マチャドを手に入れた。ESPNのジェフ・パッサンによると、木曜日か金曜日(2月21日か22日)に正式発表の運びとなるらしい。契約は10年3億ドル。数球団に対するトレード拒否権と、契約5年目の終了時にオプト・アウトできる権利(選手が契約を打ち切ってFAになれる権利)がついているという。

 この総額は、マイアミ・マーリンズがジャンカルロ・スタントン(現ニューヨーク・ヤンキース)と交わした13年3億2500万ドル(2015~27年)の延長契約に次ぐ。FAとの契約では史上最高額だ。ヤンキースがアレックス・ロドリゲスと再契約した際の、10年2億7500万ドル(2008~17年)を上回った。

 また、これにより、パドレスは3年続けて契約総額の球団記録を塗り替えた。2年前の2017年1月にウィル・マイヤーズと6年8300万ドル(2017~22年)の延長契約を交わし、それまで球団最高額だったジェームズ・シールズの4年7500万ドル(2015~18年)を更新。続いて、昨年2月にエリック・ホズマーを8年1億4400万ドル(2018~25年)で迎え入れ、今オフはマチャドだ。

 パドレスがマチャドの次に手に入れるべきは、ブライス・ハーパーではないだろう。そうなれば、再び契約総額の球団記録を更新するだろうが、野手陣には、マイヤーズ、ホズマー、マチャドの3人が揃うだけでなく、才能ある若手を数多く擁する。昨年8月にデビューしたルイス・ウリアスに続き、それ以上のプロスペクトであるフェルナンド・タティースJr.も、今シーズン序盤に昇格するはずだ。

 一方、投手のプロスペクトもいないわけではないが、野手陣におけるマチャドたちのような、実績ある先発投手を欠く。SNYによれば、パドレスはノア・シンダーガード(ニューヨーク・メッツ)の獲得に動いたものの、メッツから見返りにタティースJr.を要求され、交渉は暗礁に乗り上げたという。コリー・クルーバー(クリーブランド・インディアンズ)のトレード先の一つとしても、パドレスは噂されていた。

 FA市場にはダラス・カイクルが残っていて、パドレスも興味を持っているようだ。もっとも、焦る必要はない。パドレスは少なくともあと5シーズン、マイヤーズ、ホズマー、マチャドの3人を保有できる。マイヤーズの契約には、2023年の球団オプションがついている。

 昨年12月に「今夏にトミー・ジョン手術の投手が、2年1550万ドルの契約をゲット。来シーズンは全休が濃厚だが…」で書いたように、ギャレット・リチャーズと契約したのも、今秋ではなく来秋のポストシーズン進出を見据えてのことだ。リチャーズが復帰するとともに、あと1人がローテーションに加われば、2006年を最後に遠ざかるポストシーズンは見えてくる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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