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丸佳浩の前に、FAとなって読売と契約した野手の1年目はどうだった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
小笠原道大/2009年のWBC Mar 18, 2009(写真:ロイター/アフロ)

 丸佳浩が選んだ球団は、読売ジャイアンツだった。FAとなって読売へ移籍した野手は、炭谷銀仁朗が12人目、丸は13人目だ。

筆者作成
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 過去の11人中6人――1人目から6人目まで――は、移籍の前後とも100試合以上に出場した。そのいずれも、新天地1年目のOPS(出塁率+長打率)は、移籍直前のシーズンより下がっている。ただ、清原和博(1997年)の数値は前年とまったく同じと言うべきで、小笠原道大(2007年)はその前の7シーズンと同じく.900以上を記録し、「MVP受賞のオフに移籍は、丸が広島を去ればNPB史上6人目。MLBでは意外に少なく…」でも書いたように、2年続けてMVPに選ばれた。

 今シーズン、丸はキャリアハイを大きく更新した。本塁打は前年(23本)から16本増え、出塁率は2014年(.419)から49ポイント上がった。OPSに至っては、2014年(.910)から185ポイントもアップしている。たとえ、そこから下がったとしても、30本塁打、出塁率.400、OPS.900をクリアできれば、新天地1年目の成績としては十分だろう。

 そのためには、丸自身もさることながら、彼の後ろを打つ選手が鍵になりそうだ。広島東洋カープには、鈴木誠也がいた。今シーズンの成績を見る限り、後ろが岡本和真に代わってもそれほど遜色はないが、岡本がブレイクを継続できないようだと、丸が孤立しかねない。出塁率は高くても、勝負を避けられ、本塁打が激減することもあり得る。

 なお、FAとなって読売へ移籍した野手のうち、落合博満(1994年)、江藤智(2000年)、村田修一(2012年)の3人は、1年目に日本シリーズ優勝を味わった。2012年を最後に、読売は日本一から遠ざかっている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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