MVP受賞のオフに移籍は、丸が広島を去ればNPB史上6人目。MLBでは意外に少なく…
パ・リーグのMVP(最優秀選手)には山川穂高(埼玉西武ライオンズ)が選ばれ、セ・リーグのMVPは丸佳浩(広島東洋カープ)が2年続けて受賞した。
丸はFAになっていて、来シーズンは、広島東洋、読売ジャイアンツ、千葉ロッテマリーンズのいずれかでプレーするはずだ。読売あるいは千葉ロッテと契約すれば、2リーグ制となった1950年以降6人目の「MVP受賞のオフに移籍した選手」となる。
過去の5人中、門田博光(1988年)はトレード、田中将大(2013年/現ニューヨーク・ヤンキース)はポスティング・システムを利用した。門田の場合、球団が大阪から福岡へ移転し――南海ホークスが福岡ダイエーホークスになった――門田自身は関西に残った。
FAとなった3人のうち、工藤公康(1999年)と小笠原道大(2006年)は読売へ。松井秀喜(2002年)は読売からヤンキースへ移った。従って、読売以外の球団でMVPを受賞し、そのオフにFAとなって移籍した選手の新球団は、100%が読売だ。ただ、これまでに2例しかないことを考えると、丸も同じ道をたどるかどうかは予断を許さない。ちなみに、小笠原は読売1年目の2007年も、前年に続いてMVPを手にした。
メジャーリーグでMVP受賞のオフに移籍した選手は、少し意外な気もするが、日本プロ野球よりも少ない。1950年以降は3人。さらに遡っても1人増えるだけだ。FAとなって別の球団と契約したのはバリー・ボンズ(1992年)しかおらず、他の3人はトレードで移った。ボンズも小笠原と同じく、移籍1年目もMVPを――小笠原と違って両年とも同じナ・リーグだが――受賞した。
また、日米の9人中、半分近い4人はヤンキースへ移った。9月に「ヤンキースはMVP選手がお好き!? 昨冬はスタントン、今夏はマッカッチェンを獲得」で書いたとおり、直後かどうかを問わず、ヤンキースは多くのMVP受賞者を迎え入れている。
なお、メジャーリーグで2018年のMVPに選ばれた2人、クリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)とムーキー・ベッツ(ボストン・レッドソックス)が今オフに移籍することは、まずあり得ない。