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最も打率が上がった選手、最も打率が下がった選手。ア・リーグ首位打者は上昇幅もトップ。前年と同じは2人

宇根夏樹ベースボール・ライター
エリック・ホズマー(サンディエゴ・パドレス)Jul 22, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ここ2年とも500打席以上を記録した選手は、93人を数える。そのうち、昨シーズンと今シーズンを比べて、最も打率が上昇したのはムーキー・ベッツ(ボストン・レッドソックス)だ。その差は+82ポイント(.264→.346)。日本流に言えば8分2厘上がり、ア・リーグの首位打者を獲得した。今シーズンの打率は、ナ・リーグや両リーグでプレーした選手を含めてもトップだ。2位のJ.D.マルティネス(レッドソックス)とは、16ポイント(1分6厘)の開きがある。

筆者作成
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 打率の上昇幅が4番目に大きかったクリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)も、ナ・リーグの首位打者となった。

 一方、エリック・ホズマー(サンディエゴ・パドレス)は、最も打率が下降した。カンザスシティ・ロイヤルズでプレーした昨シーズンは、ア・リーグ3位の打率.318を記録したが、今シーズンは.253に終わった。その差は-65ポイント(6分5厘)だ。

 打率だけならともかく、ホズマーの打撃スタッツは軒並みダウンしている。また、守備と走塁も併せた総合指標のWARは、ベースボール・リファレンス版(rWAR)が1.4、ファングラフス版(fWAR)は-0.1だ。昨シーズンは、どちらも4.1だった。

 ホズマーが2月に得た8年1億4400万ドルの契約は、パドレス史上最高総額だ。昨オフにFAだった選手の契約のなかでも、総額はダルビッシュ有(シカゴ・カブス)の6年1億2600万ドルを上回り、最も多かった。

 昨シーズンが終わった時点では、レッドソックスもホズマーに興味を示していたようだが、12月に同じ左打ちの一塁手、ミッチ・モアランドと2年1300万ドルで再契約を交わした(J.D.を5年1億1000万ドルで迎え入れたのは、ホズマーのパドレス入団後)。モアランドのWAR(0.9と0.6)はホズマーとそう変わらない――合計すると2人とも1.3ホズマーは1.3、モアランドは1.5だ――が、年俸はホズマーの3分の1以下に過ぎない。

 なお、ここ2年とも同じ打率は2人。クリス・デービス(オークランド・アスレティックス)は「本塁打王に加え、奇跡のストリークも継続。4年続けて打率はぴったり同じ」で紹介したとおり、4年続けて打率.247を記録した。一方、デビッド・ペラルタ(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は打率.293に加え、出塁率.352も2年続けて同じ。ただ、昨シーズンは14本だったホームランが30本に増え、長打率は.444から.516へ上がった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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