大谷翔平以外の「野手登板」は48人。シーズン20本塁打の野手は、3登板とも無失点

アダム・エンゲル(左)とマット・デビッドソン May 12, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 野手の登板は、増加傾向にある。2012年からは毎年10人以上がマウンドに上がり、2014年以降は20人以上。昨シーズンは30人を上回り、今シーズンはさらに増えて48人に達した。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とポストシーズンで登板したオースティン・ローマイン(ニューヨーク・ヤンキース)を含めれば、ちょうど50人となる。

 48人の合計成績は、65登板、63.0イニング、防御率11.71、0勝2敗、0セーブだ。全体の防御率は高いものの、無失点の野手は19人を数える。なかでも、マット・デビッドソン(シカゴ・ホワイトソックス)は3試合に投げ、それぞれ1イニングを抑えた。

 デビッドソンはDH、一塁手、三塁手を務め、昨シーズンは26本塁打、今シーズンは20本を放っている。プロとして登板するのは、27歳の今シーズンが初めてだが、高校時代は投手と野手を兼任していた。デビッドソン自身がツイッターにアップした写真(上)のフォームも、野手とは思えない。スタットキャストによると、速球は最速91.9マイルを記録した。

 他にも、ブランドン・ディクソン(シンシナティ・レッズ)は2登板で計1.1イニング、アレックス・アビーラ(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は1登板で2イニングを投げ、どちらも得点を与えなかった。ディクソンは内外野を守るユーティリティで、アビーラは捕手だ。7月に「投手が野手からホームランを打つ。それをお膳立てしたのは平野佳寿!?」で書いたとおり、アビーラは野手からマウンドを引き継いだ。

 また、クリス・ジメネスは2登板ともホームランを打たれたものの、シカゴ・カブスとミネソタ・ツインズの2チームで投げた。ジメネスは捕手が本職ながら、ここ5シーズンのうち、マウンドに上がらなかったのは2015年だけだ。通算11登板は、今シーズンに登板した野手48人のなかで最も多い。

 大谷のチームメイトであるフランシスコ・アルシアは、2登板目の9月20日に、同じ試合で捕手と投手を務めてホームランも打った史上初の選手となった。それだけでなく、8月11日の初登板は、エンジェルスの野手では1993年以来。継続中ではどのチームよりも長かった、野手登板なしのストリークに終止符を打った。アルシアは打者としても、7月26日と28日に計10打点を挙げ、メジャーリーグ最初2試合の打点記録を塗り替えた。

 なお、登板した野手48人中36人は、今シーズン、投手としてメジャーデビューした。ディクソンやアルシアら8人は、野手としてもメジャーリーグ1年目だった。

 野手の登板には、リリーフ投手を休ませるという意味がある。ただ、一つ懸念されるのは、死球の多さだ。打者319人に対して6死球、53.2打者に1死球の割合は、本職の投手(96.5打者/死球)の倍近い。100マイルの速球でなくても、当たりどころが悪ければ、怪我をする可能性もある。