ドラフト最初の3ラウンドに「6人も指名できる球団」と「1人しか指名できない球団」があるのはなぜ?
今年のドラフトは6月4日から6日に開催され、最初の3ラウンド(1~3巡目)に104人が指名される。単純に割れば1球団につき3~4人(3.47人)だが、実際はそうではない。タンパベイ・レイズとカンザスシティ・ロイヤルズの指名権はそれぞれ6つずつ。それに対し、フィラデルフィア・フィリーズの指名権は、全体3位の1つしかない。
レイズの場合、通常の指名権は16位(1巡目)、56位(2巡目)、92位(3巡目)の3つ。1巡目の直後の31位と32位は、どちらも補償だ。前者は、FAとなった際にクオリファイング・オファーを申し出たアレックス・カッブが退団したことによるもの(ボルティモア・オリオールズと契約)。後者は、前年に31位で指名した選手と契約できなかったことによる(前年より1つ後ろの順位)。2巡目の後ろに位置する71位は、市場規模が小さいか収入の少ない球団が対象となる「戦力均衡ラウンドB」の指名権だ。
ロイヤルズは18位、58位、94位に加えて、クオリファイング・オファーを申し出たFA2人の退団による33位と34位、2巡目の前に位置する「戦力均衡ラウンドA」の40位の指名権を持つ。
一方、フィリーズは2巡目と3巡目の指名権を失った。カルロス・サンタナ、ジェイク・アリエタの2人と契約したためだ。サンタナはクリーブランド・インディアンズ、アリエタはシカゴ・カブスから、クオリファイング・オファーを申し出られていた(クオリファイング・オファーについては「FAにクオリファイング・オファーを拒まれた球団は「去るなら大型契約を得てほしい」と望んでいる!?」、選手の動向については「クオリファイング・オファーの明暗。チームメイトだった2人は、一塁手が8年契約、三塁手はQOの半額未満」で書いた)。
今年のドラフトは、1巡目(1ラウンド)→補償指名→戦力均衡ラウンドA→2巡目(2ラウンド)→戦力均衡ラウンドB→補償指名→3巡目(3ラウンド)と進み、4巡目以降はプラスもマイナスもなく、1巡目とまったく同じとなる。各球団は最大40ラウンドまで指名でき、途中でストップしても構わない。