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ヤンキースの次期監督はあの超大物!? まさかとは思うけれど、現監督の後釜に2度座っているのは……

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ブーン(ニューヨーク・ヤンキース)Dec 6, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、ニューヨーク・ヤンキースの監督は、ジョー・ジラルディからアーロン・ブーンに代わった。ブーンはそれまで、ESPNで解説者を務めていた。ESPNはブーンの後任として、アレックス・ロドリゲスを招聘した(ジラルディはMLBネットワークの解説者となった)。

 実は、ロドリゲスがブーンの後釜に座るのは、今回が初めてではない。

 2003年の夏、ブーンはシンシナティ・レッズからヤンキースへ移籍し、ポストシーズンでリーグ優勝を決めるサヨナラ本塁打を放った。翌年も引き続き、ヤンキースで三塁を守るはずだった。

 ところが、年明け早々にアクシデントが起きた。ブーンは1月16日にバスケット・ボールのピックアップ・ゲームをしていて、左膝の靭帯を損傷。ヤンキースは2月16日にテキサス・レンジャーズからロドリゲスを獲得し、3月1日にブーンを解雇した。ロドリゲスは遊撃から三塁へ移り、デレク・ジーターと三遊間コンビを組んだ(ブーンは6月26日にクリーブランド・インディアンズと契約し、この年は全休したが、翌年は正三塁手としてプレーした)。

 二度あることは三度ある……のか。

 ロドリゲスは不本意な形でヤンキースを去り、選手生活にピリオドを打った。2016年8月7日に記者会見を開き、5日後の試合を最後に引退することを発表した。ただ、この経緯は問題にはならない。不本意な去り方という点では、ブーンも同じだ。

 また、ロドリゲスはマイナーリーグでも、監督どころかコーチすら経験していない。けれども、これはブーンもそうだ。2009年を最後にユニフォームを脱ぎ、解説者に転身した。

 ネックとなるのは、これまでの行動だろう。引退発表の直前に「それでもA-RODを嫌いになれない理由」でも書いたように、ロドリゲスの「汚点」は薬物使用にとどまらない。

 ヤンキースが将来、ロドリゲスを監督に据えるとは考えにくい。それでも、絶対にないと言い切ることはできない。このオフ、マイアミ・マーリンズでCEOを務めるジーターは、主力選手を立て続けに放出しただけでなく、フロントにいた元選手や元監督を解雇し、ファンの不興を買っている。ヤンキースでプレーしていた当時、ジーターがこれほど批判を浴びる日が来ることを、いったい誰が想像しただろうか。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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