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2019年、特に印象的だったライヴ10+1

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
UVERworld12月19日東京ドーム(Photo/田中聖太郎)

2019年も、素晴らしいライヴをたくさん観させていただきました。ライヴ、フェス、イベント合わせて132本。どのライヴも、アーティストとファンの想い、そして作り手の情熱とがひとつになって、忘れられない時間、まさに一期一会の機会を作り出してくれ、感動を与えてくれた。その中でも特に印象的だったものをピックアップ。当然、観ていないライヴの方が多いので、偉そうなことは言えないが、そんな中でも、いいものはいいとはっきり書き残す事で、「そのアーティストのライヴ、まだ観た事がない」という人に、少しでも興味を持ってもらえれば、という思いを込めた。インディーズ、新人、中堅、様々なアーティストのライヴを観させてもらったが、ここに取り上げているのは、結果的に今年もキャリアが豊富な、ビッグアーティストのライヴが多くなっている。多くの人から、長年支持され続けている理由を改めて感じることが、新しい才能を見つける際にも役立つと感じている。

■UVERworld『UVERworld LIVE 2019 at TOKYO DOME』(12月19日、20日「KING'S PARADE 男祭り FINAL」)、『UVERworld UNSER TOUR 2019』(11月24日横浜アリーナ【TAKUYA∞生誕祭 男祭りVS女祭り】)

12月19日東京ドーム(Photo/田中聖太郎)
12月19日東京ドーム(Photo/田中聖太郎)
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UVERworld9年ぶりの東京ドームライヴ。なんといっても12月20日の4万5千人の男性限定の“男祭り”は、今まで観た事も感じた事もない、言葉では言い表せない熱狂と感動に包まれ、忘れられない一夜に。去年、ボーカル・TAKUYA∞にインタビューした際「男たちとの戦いの中で、限界を超えた時、アドレナリンが出まくっている状況の中で出てくる言葉、メッセージや歌詞が、相手に届くものだと思っています」と語っていたが、TAKUYA∞の歌、言葉、そしてバンドが放つサウンドが、4万5千人の男達に“襲い掛かる”。そして男達の思いも6人に襲い掛かる。そんな魂と魂とが交錯し、広いドームをライヴハウスのような熱い空間にしていた。ドーム2daysを成功させた次の日の、横浜アリーナでのライヴも観たが、疲れなど微塵も感じさせない圧巻のライヴだった。TAKUYA∞の恐るべしスタミナと強靭な喉にはただただ驚くしかない。まさにモンスターバンドだ。

『東京ドームで4万5千人の男性限定ライヴを行うUVERworldは、なぜ「男祭り」にこだわるのか?』

■山下達郎『山下達郎 PERFORMANCE 2019』(9月6日NHKホール)

最高のボーカリストと最強のミュージシャンが生み出す極上のポップスは、唯一無二。そして少しでも「音楽」に興味がある人は、死ぬまでに一度は観ておくべきライヴ。必ず二度、三度と観たくなるはず。音楽の素晴らしさ、底抜けに楽しいものであることを実感できるはずだ。山下の声の強さ、優しさ、揺らぎ、響きが圧倒的に美しく、鳥肌が何度も立った。セットリストもオリジナルはもちろん、竹内まりやメドレーや、セルフカバーなど多彩で、その時代を彩ってきた「歌」のエバーグリーンな輝きに改めて感動。

■スピッツ『SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020“MIKKE”』(11月30日静岡・エコパアリーナ)

11月30日静岡・エコパアリーナ(Photo/内藤順司)
11月30日静岡・エコパアリーナ(Photo/内藤順司)

10月に発売された、約3年ぶりのオリジナルアルバム『見っけ』を携えてのツアー初日、オフィシャルライヴレポートを担当させてもらったが、掛け値なしに素晴らしいライヴだった。20曲以上ヘヴィで激しいロックサウンドと、せつないメロディが交錯し続け、草野マサムネの繊細で、温もりある声に包まれ、聴き手はそれぞれの思い出と記憶とともに2時間以上ずっと胸を締め付けられる。純粋に音楽を楽しんでいる“バンド”の姿はどこまでも瑞々しい。

■Suchmos『"Suchmos THE LIVE" YOKOHAMA STADIUM』(9月8日横浜スタジアム)

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6人の夢が叶った瞬間に立ち会うことができて幸せな気持ちになった。視線で会話しながら、楽しそうに演奏しながら、どこまでも自由で強烈なバンドアンサンブルを作り上げていた。枠にも型にもはまらないという、その強い意志が音楽にもメッセージにも表れ、リスナーを熱狂させる。ライヴ中、「いいバンドだなぁ」という言葉が、何度も心に浮かんできた。

『Suchmos 熱狂の初横アリライヴ 「音楽の力を信じてるかい?俺らはそれだけでここに来たんだ」』

■サザンオールスターズ『LIVE TOUR 2019“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ”』(4月14日横浜アリーナ/6月16日東京ドーム)

40年間を“攻めた”セットリストで振り返り、これからも攻めるという意志表示をしてくれた。泣いて笑って、そしてグッとくるサザンのポップス劇場を、横浜アリーナで観ることができる幸せをかみしめ、東京ドームでのツアーファイナルは、5万人のファンの思いが大きな塊になり凄まじい熱量を生み出し、40年というキャリアの底力と、やはり“規格外”のバンド力というものを、改めて感じさせてくれた。

『桑田佳祐初YouTubeライブ、その一部始終 一夜限りのセッションで注目の新曲を披露』

■aiko『Love Like Pop vol.21』(2月10日さいたまスーパーアリーナ)、『Love Like Rock vol.9』(10月14日Zepp Osaka Bayside)

10月5日Zepp Tokyo(Photo/岡田貴之)
10月5日Zepp Tokyo(Photo/岡田貴之)

2月と10月に違うコンセプトのライヴを観たが、毎回彼女のライヴを観て思うのは、あの“瑞々しさ”は何だろう?ということ。瑞々しさを毎回更新している凄さ。ライヴを続けることでファンとの強い繋がりを確認し、ライヴこそが自身の存在証明の場と考えているaikoの、ライヴに賭ける思い、その思いの強さが瑞々しさの源泉なのかもしれない。現在行なっている『LLR vol.9』では、その溢れる思いを隠すことなく情熱的に、時に冷静に、一人ひとりに届ける彼女の歌が、より生々しくなっていた。繊細な歌詞、一つひとつの言葉が心に響いてきた。

■King Gnu『King Gnu Live Tour 2019 AW』(11月26日Zepp Tokyo)

11月26日Zepp Tokyo(Photo/小杉歩)
11月26日Zepp Tokyo(Photo/小杉歩)

天才集団が作り出す熱狂は、予測不能の熱さと美しさ。計算し尽されたサウンドを自由に奏でることで生まれる素晴らしいバンドアンサンブルと、色気のある美しい歌。新しい時代のヒーローとしての存在感を示してくれた。今年はどんな凄まじいライヴを見せてくれるのか、本当に楽しみ。

■millennium parade『millennium parade Live 2019』(12月5日新木場・STUDIO COAST)

12月5日新木場・STUDIO COAST(Photo Ito Kosuke / 小杉歩
12月5日新木場・STUDIO COAST(Photo Ito Kosuke / 小杉歩

5月23日恵比寿リキッドルームでの初ワンマンも観たが、天才・常田大希(King Gnu)とアーティスト達が仕掛ける、3Dメガネを装着しての、音と映像と光が感動的に交錯するアートのようなライヴ。石若駿と勢喜遊(King Gnu)の超豪華ツインドラム、同じくKing Gnuのベース新井和輝、WONK江崎文武の鍵盤など、豪華バンド陣が作り出す極上の音は、強烈で素敵な刺激。心と体の深いところまで響いてきた。

 

■平井堅『Ken’s Bar 20th Anniversary Special vol.4』(5月22日 日本武道館)

5月22日日本武道館(Photo/上飯坂一)
5月22日日本武道館(Photo/上飯坂一)

歌から薫り立つ、なんといえない色気が切なさに変わる平井節を堪能。オリジナルはもちろん、カバー曲に輝きを与えるその表現力には毎回脱帽。同様にKen's Barでは平井の歌に、より光と影を纏わせる鈴木大のピアノ、石成正人のギター、大神田智彦のベースなど、ミュージシャン達の凄いプレイ、素晴らしい音色にいつも感動。

『平井堅 新作「#302」が話題 ドラマ主題歌と向き合う時、必要なこと』

■嵐『Anniversary Tour“5×20”』(4月18日東京ドーム)

ファンへの20年分の感謝の気持ちと、これからも共に歩んでいきたいというメッセージを届けていた。誰からも愛される、イイ曲が多いなあと再認識。最新のテクノロジーを駆使した照明、映像の演出も、曲の良さが破壊力に繋がっている。素晴らしいショウだった。

■Omoinotake『Dogenzaka Sway』(9月9日shibuya O-WEST)

個人的に「好い」ライヴだった。対バンライヴで、彼らのライヴを観たのはこの日が初めてだった。藤井レオ(Vo,Key)、福島智朗(Ba)、冨田洋之進(Dr)に、サポートメンバー柳橋玲奈(Sax)という編成で、まずポップネスの向こうに側に感じる、色々な音楽の薫りと演奏力の高さに心が躍った。声、歌、曲、演奏、全ての要素がひとつになり生まれる、あのクールでエモーショナル、そしてメロウで強くて優しいグルーヴは病みつきになる。今年最注目のアーティストの一組。

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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